ナート氏、ペンチ・トラ保護区を避ける新たな迂回路を提案
道路交通・高速道路相のカマル・ナート(Kamal Nath)氏は、国道の南北線(North-South corridor)を完成させるために、ペンチ・トラ保護区を迂回する代替ルートを遂に提案した。先に、道路交通・高速道路省はこの保護区を通過している既存の幅18メートル道路の拡幅工事案を提示していたが、この案はペンチにおけるトラの自然の生息地を危険にさらすという理由で環境省の反対にあった。
最高裁判所が中央特別委員会にこの案を検討するように要請したことから、この拡幅工事プロジェクトは法的障害に打ち当たった。中央特別委員会の勧告は、幅30メートルへの道路の拡幅は何としても避けるべきであるというものであった。同省が提案する新ルートは、650クロー(1296億5600万円)の追加投資が必要であるうえ、ナート氏の選挙区であるチンドワラ、セオニ、ムルタイ、ナルシンハプル、アマルワナを通過するものである。
同省は新ルートを提案する宣誓書類を最高裁判所にちょうど提出したところであり、最高裁判所は今後それを検討する。裁判所は、先に、道路交通・高速道路省と環境森林省の当局者にそれぞれのルート案の違いを徹底的に検討し合体案を提出するように要請していた。
政府当局者によると、提案された新ルートはペンチ・トラ保護区を手つかずのまま残し、ムルタイ― チンドワラ ― セオニ(国道69A)と、ナルシンハプル ― アマルワナ ― チンドワラ(国道26B)を通るものであるという。現在、片側1車線道路を多車線にするための費用は総額1,575クロー(3141億6660万円)と見積もられており、EPCプロジェクトとして発注される見込みである。約776クロー(1547億8940万円)は、今期5ヵ年計画の資金から提供されることになる。道路交通・高速道路省は間もなく公共投資委員会(Public Investment Board)と新たな交渉を行う。
「この新ルートは自然保護区を守るだけでなく、周辺地域の経済開発の手段としても役立つでしょう。新ルートは、自然保護問題を検討するために設立された中央特別委員会の懸念に対処できるように計画されているのです」と、政府当局者は語った。
(翻訳協力 松崎由美子)
【JTEFのコメント】
トラ保護以外の思惑も背景にあるようですが、何はともあれ、ペンチ・トラ保護区とカーナ・ペンチ間の森林(トラにとっての森の道)代替ルートに計画が変更されることになりそうです。ただ、既存の国道7号線の利用をどうするか(特に夜間通行の禁止)など、課題は多く残っています。