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北東インド(カルビ・アングロン)で、人とゾウのトラブルを防ぐための地域主導プロジェクト実施中

カルビ・アングロンのゾウ ゾウは森の中を移動する中、やむなく行き当たったり、おいしく栄養価の高い米にひかれたりして、水田・農村に現れます。カルビ・アングロン自治区は8割が森林におおわれていますが、森林の所々が切り開かれて水田が耕作されているためです。特に稲刈り前のシーズンに水田で稲を食べられたり、収穫後、物置や家の中に貯蔵した稲穂が「強奪される」こともあります。ゾウを追い返そうとした住民が逆襲を受けて死傷事故が起きることもあります。

 この問題の根本的な解決は、賢明な計画に基づいた土地利用を行うことにかかっていますが、短期的な対処も必要です。
その際に重要なことは、実際にゾウと隣り合って暮らし、トラブルの当事者となっている地域(コミュニティー)の人々の納得と参加に根ざした方法がとられることです。

意見交換会で発言する地域住民 2009年10月22日と11月21日、関係集落の代表者たち、森林局(シロニジャン地区)、JTEFの現地パートナーWTIが集まり、人とゾウのトラブルの現状と、トラブルを緩和するための対策について意見交換会が行われました。
 その結果、電気柵を設置・管理し、ゾウの水田・集落(各集落を取り囲むようにして水田が耕作されています)への侵入を防ぐよう試みることが決まりました。
 また、この意見交換会での決定を実行に移していくための「地域住民委員会」が立ち上げられました。

 こうして、2010年6月、電気柵が設置されました。カルビ・アングロン北東部の森林(ガランパニ、ナンボルなどいくつかの野生生物保護区)とシロニジャン地区の農地との境界、約15キロの区間です。

電気柵の状況を確認するWTIスタッフ 地域住民委員会で電気柵の効果を話し合う
 2010年10月には、地域住民委員会とWTIで、電気柵設置の効果が確認されました。その結果は以下の通りすばらしいものでした。

 電気柵設置の結果 電気柵設置の結果

 ただし、野生動物特にゾウは頭が良く「対策」を学習するので、今後の監視の継続とその結果を踏まえたたゆまぬ管理の改善努力が重要になると考えられます。
 JTEFは引き続き、この地域主導プロジェクトを支えていきます。


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