今年、４件目のイリオモテヤマネコの死亡事故が起きてしまいました。死体回収の最多記録に並ぶ事態となりました（交通事故は5件）。やまねこパトロール中にスタッフが発見。礫死体に遭遇したことは初めてということもあり、よけいに辛いものがあります。
５件のうち２件がほぼ同じ場所（高那展望台の近く）ということが気にかかるところです（また、そこから比較的近い、美原という集落付近でも1件が発生しています）。 放浪・分散個体しか出ないと思われる場所である一方、自動車（運転者）側としてはスピードを出しやすい区域であることが大きく影響していると思われます。
走行車両にスピードを落とさせることが非常に難しい区域です。パトロール車がゆっくり走ったり、停車しても、カーブ以外は高速でパスすることが特に容易な場所です。
８月で既に過去タイの死亡数確認、という異常な事態。　トラ・ゾウ保護基金では、採ることのできるあらゆる対策を検討しています。近く、その進展をご報告したいと思います。

写真：環境省西表野生生物保護センター

やまねこパトロール・スタッフの報告より
午後８時35分ごろ、高那展望台（小浜島が望める）西側800ｍ付近で、交通事故死と思われるイリオモテヤマネコをパトロール中に発見する。二車線の山側道路で、死体は手、足を伸ばし横たわっていた。外傷はなく、呼吸はしていなかった。記録した後、死体を歩道に移動する。死後硬直はなく、体はまだあたたかく、死亡してほとんど時間は経っていなかった。移動後、しばらくするとヤマネコの鼻、口より血のような体液が少し出た。このようなことを無くすために取り組んでいるパトロールだが、犠牲を目の当たりにし、非常に悲しい。

2013年に交通事故にあったイリオモテヤマネコ