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コロラド州で行われた密輸象牙の粉砕イベントや象牙の違法取引撲滅への米国の取り組みについて、米国務省のケリー長官の発言

今日(2013年11月14日)、コロラド州デンバーで、米国内務省が押収密輸象牙の在庫を廃棄した。総量は 約6トンである。
米国は、この行動によって、ゾウや他の動物を殺す残虐な密猟者、これらの貨物を取引する違法取引業者、そしてこれらの違法商品を購入する消費者に、シンプルでありながら強力なメッセージを送ることだ。「我々がどれほど真剣であるかについて、勘違いしたではすませない」

我々だけでこの戦いをたたかっているのではない。ケニア、ガボン、フィリピンでも近年行われている在庫象牙の廃棄を踏まえてこの行動をとっている。我々は、他の国も彼らの象牙の備蓄を破壊することによって、野生生物の密売に対して強い立場を取るよう奨励したい。

しかし、誤解してはならない。世界はより多くのことを行う必要がある。我々に時間は残されていないのだ。

昨年のある夜、中央アフリカ共和国のDzangha-Bai 保護区で、アメリカ人科学者が、地域政情不安により、長期間のゾウの研究拠点を放棄することを余儀なくされた。次の日に戻ってきたとき、科学者たちは言いようのない光景を目の当たりにした。彼らは何十年も観察していたゾウの群れが死んでおり、牙がなくなっていたのだ。犯罪者は、長年研究されてきた観察エリアの無防備なゾウを撃ち殺したのだ。

この事件に限ったことではない。2007年に私の妻テレサと私は野生動物の保護区を訪問し、サファリに行ったとき、私は同じようなエピソードの悲劇的な話を聞いた。昨年、外交委員会で初めて野生生物の違法取引問題についてのヒアリングを開催し、危機を強調した。

野生動物の虐殺は、急激に増加している。ゾウやサイの密猟は、その規模、頻度、そして洗練された方法によって壊滅的なペースで加速している。密猟者は技術と火力を増大させているためにこれらの荘厳なる動物たちがわれわれの前から姿を消すというだけでなく、違法取引の爆発的な増加は、日々の暮らしをこれらの生物と生態系に依存している生息国の安定と安全を脅かしているのである。

我々に時間の猶予はない。緊急に行動し、国民意識を高める必要がある。

ちょうど昨日、 11月13日に、私はもっとも多くの野生生物の違法取引をおこなっている組織の一つであるXaysavangネットワークを解体するための情報提供に100万ドルまでの報奨金を支払うという作戦を発表した。これは対国際組織犯罪報奨プログラムによる初の報奨金の提供である。犯罪者とその共犯者は括目すべきである。

そしてそれは、小銃と機関銃に殺されてきたゾウやサイばかりではではない。動物の皮、毛皮、骨や臓器需要が加速し、世界全体で多くの種が殺されている。一つの種が失われれば、密猟者は、また次の種へと標的を変えるだろう。現在のこの流れが続けば、これらの動物の多くは、私の孫の時代に絶滅することになる。

需要を減らすことは、この課題克服のための有意義な戦略の一角を担う。消費者は、密売の市場インセンティブを止めるには、政府とのパートナーとなるべきである。現実には、国際組織犯罪やその他の不安定要素、汚職や、その他の関連する危機よるに大打撃が、象牙やサイの角の価格の暴騰を招いている。不正資金は、密猟者に火力をもたらし、世界中の国々で社会と法の支配を危うくする冷酷な戦術をとらせることになるのだ。アフリカでは、密猟者が毎年勤務中のレンジャーを100人以上殺している。

野生動物の売買は、保全の問題、経済問題、健康問題、安全保障の問題である。政府と市民は、密猟者や野生生物の密売人たちが、地域を脅かし、経済発展を害し、ゾウやサイ、トラ、クマ、サメなどあらゆる絶滅の危機にある種を狩ることに手をこまねいてみているわけにはいかないのだ。あらゆるリーダー達が、汚職、収賄、共謀を根絶するために踏み出さなければならない。アメリカ合衆国は、われわれのなすべきことに専心していく。さあ、前に踏み出す時だ。

アメリカ合衆国国務省長官 ジョン・ケリー

コロラド州における密輸象牙の粉砕イベントに関する情報・ビデオなど(別ページが開きます)



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