JTEFが考えるイリオモテヤマネコの保全のためになされるべきことは、交通事故対策、生息地の確保、住民からの理解を得るための活動です。
活動① やまねこパトロール イリオモテヤマネコの交通事故を防止するため、地元の方々からなる「やまねこパトロール」チームによる夜間パトロールを行っています。2人1組で自動車に乗り、ヤマネコの目撃が多い箇所を中心に、19:30~22:00中に時速20~30㎞で走ります。写真は、夜間パトロール中に道路に出てきた子ネコ。追い返してて道路が怖いところであることを教えています。
交通事故の直接の原因は、スピードです。夜間に走る車の実に約5割がスピード違反です(やまねこパトロール調べ)。 車には反射ステッカーをつけて、遭遇車両にスピードをおとすよう呼びかけています。
活動② 生息地保全 農地整備、リゾート開発、宅地開発など西表島低地部における土地利用は、イリオモテヤマネコの重要な生息環境に悪影響が及ばないよう配慮し、慎重に計画・実施される必要があります。そのためには、土地利用に関する権限をもっている行政機関が、科学的で具体的な根拠に基づき、率先してヤマネコのために必要な配慮を行うことが求められます。 土地改良事業は、水田と牧草地の区画整理行。しかし、ここはヤマネコが餌場、休息、一時滞在に使っているため、事業の影響が心配されました。 そこでJTEFは、農地を横断して海岸線につながるアダンの残存林を残すよう5年間提言し続け、ついに沖縄県に受け入れられました。放浪しているオスネコだけでなく、そのエリアで子育てをする定住のメスネコも利用するアダン林が残されることになったのです。
活動③ ヤマネコのいるくらし授業 西表島の子どもたちに、小中学校の場でヤマネコの生態と社会を踏まえ、ヤマネコの立場に立って島の暮らしのあり方について学ぶ機会を提供しています。大人への波及効果も重視しています。 JTEFは島の全小中学校で「ヤマネコのいるくらし授業」を3年計画で実施中です。ある日の授業例は「ヤマネコになりきって生活する」。オリジナルのゲームを行いました。まず、夏季におけるイリオモテヤマネコの生態と社会的な行動にもとづき、4種類の配役を設定しました。テイジューネコ(なわばりを持つ定住オス)、ホーローネコ(なわばりを持たない放浪オス)、フィーネコ(子育て中の母ネコ)、タイニーネコ(仔ネコ)です。そして、各々の役割に分かれた生徒が、一頭の野生生物として獲物をとり、なわばりのパトロールや子育てをするなどのルールに従いながら、交通事故にあわないよう、それぞれの夏を生き抜くことをめざします。
この授業を受けた中学生たちは、ヤマネコの生態社会を知り、共感を持つことができた様子がアンケートに明確に表現されていました。さらに、ヤマネコが感じる交通事故の怖さを実感でき、生徒が交通事故を防ごうという思いにつながったようです。
- 2015.01.01 琉球新報
- イリオモテヤマネコ発見50年「奇跡の命どう守る」
- 2015.02.13 沖縄タイムズ
- イリオモテヤマネコと生きる 発見50年「新種ネコ世紀の発見 体模様『イエネコと違う』」
- 2015.02.14 沖縄タイムズ
- イリオモテヤマネコと生きる 発見50年「開発か保護かで揺れる」
- 2015.02.17 沖縄タイムズ
- イリオモテヤマネコと生きる 発見50年「事故死減へ 生態学ぶ 『大きな宝』と共生探る」
- セブンーイレブン記念財団広報誌「みどりの風」2015年春号
- 最後の楽園希少生物の島「イリオモテヤマネコと暮らした2年半」 戸川久美
- 2015.03.14 琉球新報
- イリオモテヤマネコ発見50年 共生の未来へ「一言から新種に光」
- 2015.03.15 琉球新報
- イリオモテヤマネコ発見50年 共生の未来へ「認定に中学生貢献」
- 2015.03.18 琉球新報
- イリオモテヤマネコ発見50年 共生の未来へ「2匹と東京で暮らす」
- 2015.03.19 琉球新報
- イリオモテヤマネコ発見50年 共生の未来へ「保護への理解徐々に」
- 2015.03.23 琉球新報
- 「夜の道目光らせ『ヤマネコ守れ』西表・平井さんら家族で巡回」
- 文藝春秋オール讀物4月号
- 「文春講演会とイリオモテヤマネコ」 小林照幸
- 2015.04.01~ 連載小説
- 「イリオモテヤマネコ“生きた化石動物の謎”」 戸川幸夫
- SINRA 5月号
- 「イリオモテヤマネコ発見から50年 なくならない交通事故 厳しい生息環境は変わらず」
- 2015.04.11~15 八重山毎日新聞
- 大自然の象徴 ヤマネコ発見から50年 連載
- 2015.04.15 琉球新報 電子版 イリオモテヤマネコ発見50年 記念事業実行委員会発足
- イリオモテヤマネコ発見50年 記念事業実行委員会発足
- イリオモテヤマネコ発見50年事業 きょう実行委発足
- 2015.04.16 琉球新報 1面・30面
- 竹富町で実行委発足
- 2015.03.23 SINRA 2015年5月号
- イリオモテヤマネコ発見から50年
- 2015.04.14 八重山毎日新聞
- 「保護活動が重要」ヤマネコ発見50年 戸川さんの次女が現地入り
- 2015.05.18 やいまねっと
- イリオモテヤマネコ発見50年
- 2015.06.28 琉球新報・琉球新報web版
- 交通事故対策の強化を イリオモテヤマネコ発見50年でシンポ
- 2015.06.29 琉球新報 1面・23面・琉球新報web版
- イリオモテヤマネコ共存 課題語る 石垣で記念シンポ
- 2015.06.29 八重山日報
- 発見50年シンポ 交通事故死 最大の問題 スピード出す傾向は住民
- 2015.06.29 八重山毎日新聞 1面・9面
- ヤマネコ発見50年シンポ 「生息域守る努力を」
- 2015.07.01 JTA機内誌7・8月号(No.159)
- ヤマネコ通信vol.1 車のスピードは控えめに。ヤマネコを交通事故から守れ!
- 2015.08.01 琉球新報web版
- 歌や芝居で共生考える イリオモテヤマネコ50年
- 2015.08.08 八重山毎日新聞
- 応援ソングをお披露目