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報告書:2023年度やまねこパトロール活動報告
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夜間パトロール活動(19:30~22:30)
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2023年度の活動実績
(2023年4月~2024年3月)
西部地区パトロール 84回
北岸道路パトロール 87回
計171回
目的
1.イリオモテヤマネコの目撃情報収集
2.通行車両への注意喚起
3.通行車両の速度、台数等のモニタリング
4.イリオモテヤマネコを路上に誘引する
要因となる小動物の轢死体除去
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通行車両の種類
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自家用車 ・営業車 2902台
レンタカー 975台
ツアー・送迎車両 801台
不明 16台
バイク 55台
計 4749台
1パトロールあたりの平均通行台数
27.77台
島民の交通量が全体の約80%を占める。近年はツアー・送迎車両(ミニバン・ワンボックスタイプ)が増加傾向にある。
交通量の季節変動
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西部地区は集落が点在しているため、北岸道路と比べると交通量が多い。西部地区の5月の交通量が多いのはGWに集中的にパトロールを行ったため。夏の交通量は西部で増加していることに対して、北岸では目立った増加はみられない(繁忙期であっても夜間の西部、東部間の移動はそれほど増加しない)。冬季に交通量が減少するのは、西部、北岸で共通している。レンタカーについてはやはり夏季に交通量が増加するが、北岸では10月11月にも大きなピークがある。ヤエヤママルバネクワガタ採集の影響であるとみられる。
交通量の年度比較
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1パトロールあたりの平均交通量は西部地区で前年度比+3.43台、北岸道路で-4.58台となった。北岸地区は年々島民の交通量が微増していたが、今年度は減少した。西部地区の2020年度以前の数値はパトロール実施回数が少ないため参考値とする。
走行車両の速度
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走行車両の速度は北岸道路と西部地区で大きな差はない。速度を順守して走行している人の割合は60%弱ほどである。速度超過はほとんどの人が10㎞/h以下の軽微なものであり、51㎞/h以上の高速度で運転している人は全体の10%に満たない。
平均速度年度比較
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走行車両の速度は、自家用車、レンタカー共に年々低下していたが、近年はやや下げ止まっている傾向がみられる。
イリオモテヤマネコの交通事故問題を意識して運転するドライバーが増え、夜間の安全運転はある程度島に定着してきているといえる一方で、今後は全体の10%程度である高速度帯のドライバーにどう働きかけていくかが課題である。
注意喚起活動
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イリオモテヤマネコの路上出没が多発している地点では昨年に引き続き注意喚起活動を行った。2023年度は高那リサイクルセンターなどで24回実施したほか、西表ヤマネコクラブで実施しているパトロール体験の一環として、稲葉林道入り口で、時間短縮版の注意喚起を行った。
注意喚起時の速度分布
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注意喚起と合わせて行っている速度調査の結果、パトロールでの交通調査の結果と比較して速度が低下しており、直接注意喚起によって、速度順守率が上がることが分かった。51㎞/h以上の高速度帯のドライバーについても僅かではあるが減少している。
県道、アンダーパスの除草作業
イリオモテヤマネコの目撃情報が多い地点を中心に年間12回ほど実施した。環境省、林野庁職員との合同作業に参加したり、西表石垣国立公園のパークボランティア活動としての除草作業に参加するなど、行政、他団体との連携も積極的に行った。
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また、アンダーパスの除草作業については今年も竹富町事業として受託し、123か所全てのパスの点検・清掃作業を行い、土砂流入などによって機能不全に陥っているパスについても竹富町に報告した。2024年度以降、重機を使用して土砂の撤去作業が行われる見通しとなっている。
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ヤマネコのいるくらし授業
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2023年度は、西表小学校、上原小学校、白浜小学校で出前授業を開催し、フン分析やフィールドワークなどのプログラムを実施した。また、夏休みには白浜小学校にて、西表島に新しく赴任した教員を対象としたイリオモテヤマネコ研修会を竹富町教育委員会と開催した。
2024年度の活動予定
夜間パトロール・注意喚起活動
年間を通して実施予定。特に注意喚起活動については、環境省西表野生生物保護センターと協力し、危険な路上出没があった場合には直ちに実施するほか、7、8月の観光シーズンや10、11月のヤエヤママルバネクワガタ採集者が多く来島する時期にもキャンペーン的に活動を強化することを検討する。
県道・アンダーパスの除草作業
引き続き関係機関と連携して実施していく予定。特に危険な路上出没の兆候が見られた時には、ただちに除草作業→注意喚起を実施する。
ヤマネコのいるくらし授業
上原小、西表小、白浜小学校は継続して授業を実施していく。大原小、大原中については、5月にスケジュールを調整予定。教育委員会と共催のヤマネコ研修会は7月22日に大原地区での開催を予定している。