ブログ:「野生のトラになってみよう」 ~ オリジナルのゲームを使った環境教育 (上野動物園にて)

394 322 Japan Tiger Elephant Organization

いよいよ「野生のトラになってみよう」ゲームの開始です。これは10年近く前に初めて上野動物園で行った「トラ大使」プログラムのためにJTEFが考えたゲームです。子どもたちが、「ブルー」トラ、「イエロー」トラ、「グリーン」トラの役を演じ、トラたちの生活を体験するものです。3色に分けたのは、トラの社会の中でもそれぞれ異なった役割があるためです。 ゲームの前に、まず、トラの社会はライオンと違って基本的に単独行動をするということ、トラはアジアの森にしかいないこと、個体数が減っていることだけを簡単にお話しします。そこでゲーム開始。それぞれのトラになった子どもたちは自分が演じる「ブルー」「イエロー」「グリーン」がどんなトラかはわからないまま、それぞれ与えられたミッションをこなしていくのです。/

トラの社会でも、立派な強い成獣であるトラもいれば、子育て中のメストラもいます。そしてお母さんから離れて独り立ちした若いトラもいます。

 トラは強いイメージですが、獲物であるシカやイノシシなど草食動物を簡単に獲れるのでしょうか。獲物である草食動物のいる森が少なくなっていったら、トラはどんな影響を受けるでしょうか。

子トラは2年ほどしか母トラと一緒に暮らしませんから、独り立ちした若いトラはどこでどうやって獲物を獲るのでしょう。

トラがいる保護区周辺の森の周りには、人間も暮らしていて、時々出会うこともあります。トラとヒトとの関係は友好的でしょうか。

私たちJTEFは、野生動物を守りたいという気持ちは、相手のことを思いやる気持ちから生まれると思っています。まず相手のことを知り、相手の立場にたって相手の気持ちになってみるという経験をすることが大切だと思っています。そのために、この「野生のトラになってみよう」というゲームを作りました。トラだけでなく、「野生のゾウになってみよう」「イリオモテヤマネコになってみよう」というバージョンも作りました。このような体をつかって動くゲームを素直に楽しみつつ、それを通して考えたことを活発に意見交換するのに最適な年代は、ギャングエイジと呼ばれる小学3,4年生が中心になると思われます。

今回も、ゲームを終え解説を聞いた後の子どもたちは、野生のトラの生活を一部体験したことで野生のトラへの共感を得たようです。

ゲームやディスカッションのあとに、子どもたちが作った野生のトラクイズが、5月6日まで上野動物園のトラ舎に展示されています。子どもたちの学びをご覧いただき、クイズにぜひ、挑戦してみてください!