2014.7 イリオモテヤマネコ保護基金 最新の活動報告
1.やまねこパトロール活動報告
やまねこパトロールは2人1組で自動車に乗り、ヤマネコの目撃が多い箇所を中心に、19:30〜22:00中に時速20〜30kmで走ります。車には反射ステッカーを付け、遭遇車両にスピードを落とすよう警戒を呼びかけています。
6月の終わりから、母ネコと一緒だった子ネコが、一匹で行動するようになりました。7月現在も、路上で毎日のように子ネコが目撃され、危険な状況です。
パトロールから得たデータ
1.スピードは、速いものから属性不明、地元の車、レンタカー、ツアー車の順。
2.レンタカー、ツアー車のスピードが比較的控えめなのは、観光客が生き物を見る目的があるためか 。また、レンタカーの方が、パトロール車に気づき、スピードを落とすことが多い印象。
3.ただし、レンタカーでも半数以上がスピード超過。地理感がないため、地元車よりも事故を避ける能力が低い可能性がある 。
データが示す、今後必要な取組み
A.地元向け広報のいっそうの強化
B.観光客向け広報の強化
C.車の走行数の多い金・土にはとくに警戒が必要
D.交通量が多く、最も警戒すべき期間は夏休み前である6月下旬〜7月上旬(2013年の場合)
分析結果は、協力機関に報告。意見含め、やまねこパトロールの活動は、夕方のNHKニュース、翌日の地元紙にも取り上げられました。
2.やまねこのいるくらし授業報告
2014年5月27日(火)、西表島の大原中学校で2時間理科の授業を行いました。
やまねこパトロールのメンバー2人に授業に参加してもらい、実際のパトロール時の映像を写し、生徒に臨場感を持ってもらいました。映像を見た後、ヤマネコが食べるものの生息環境を当てるゲームを通して、西表島の豊かな生態系を理解しました。最後に、パトロールのメンバーからのお話です。島には高校がないため、いずれ島を離れる子供達に向け、西表島の素晴らしさを、今のうちによく見て、感じてほしいという先輩からの言葉は、子供達の胸に響いたようでした。
3. イノシシ農地侵入防止フェンス改修
「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」にかかわる補助金の活用により、シカやイノシシが農地に侵入することを防止するためのフェンス設置が、全国的に進んでいます。リュウキュウイノシシによる農業被害がある西表島も例外ではありません。ところが、このフェンスが道路まで延ばされると、ヤマネコを道路に誘導してしまうおそれがあります。そこで、JTEFはフェンスを延長して道路から山側に切り返し、道路から遠ざけるよう竹富町にはたらきかけ、結果、要望通りの改修が実現しました。
イリオモテヤマネコ保護基金(JTEF 2012年度収支)2012年11月1日~2013年10月31日はこちらから