食物連鎖の頂点に立ち、生態系の健全さを象徴するトラ。しかし、野生のトラは、現在13カ国にわずか3200頭台と言われるまでに減少してしまいました。100年前には10万頭いたトラが激減したのは、密猟で殺され、また生息地が破壊されていることが原因です。骨や毛皮目的の密猟を防ぐこと、小さくなった生息地どうしの間をトラが行き来できるようにつなぐことが急務です。
ゾウがその巨体で広範囲の森や草地に入り、草木を食べることで、森に光が入り種が運ばれます。ゾウが自然に生きられるようにすることは、その地域の生態系を保全し、40億年に及ぶ進化の営みが続けられるようにすることになります。象牙目的の密猟を防止し、ゾウの生息地を確保しなければなりません。
東京23区の半分にも満たない小さな西表島の固有種にして食物連鎖の頂点、イリオモテヤマネコ。生息するのは島の低地部で、人間が活動する範囲と重なります。そのため、土地がむやみに開発されると生きていけません。島の人々の暮らしとわずか100頭と絶滅の危機にあるヤマネコとが共存できるよう、十分な配慮が行き届いた土地利用が求められています。