活動紹介

トラ保護基金 ―絶滅の危機からトラを守るために―

100年前の分布と現在
出典:Raman Sulumar(2003),The living elephants, Oxford University Press, New York

ゾウの危機

現在、地球上にはアジアゾウElephas maximusとアフリカゾウLoxodonta africanaの2種のゾウが生息しています。中央アフリカに生息するマルミミゾウLoxodonata africana cyclotisはアフリカゾウの亜種(別種とするほどではないが相当の変異が見られる、種の地域的グループ)ですが、別種に分類されるべきだという主張もあります。

ゾウは、かつてアジアの南側全域に(アジアゾウ)、アフリカのサハラ砂漠以南全域に(アフリカゾウ。20世紀初頭)広く繁栄していました。ところが、今日の分布は中央アフリカと東アフリカ・南アフリカの一部を除くと、まるでかつての分布図の上に散らした「インクの染み」のような状況になってしまいました(分布図参照)。

アフリカゾウ2頭現在、アジアゾウは、アジアの13カ国に約4万頭生息しているに過ぎません。20世紀に入る前にはアフリカ大陸全体で200万頭といわれているアフリカゾウも、現在では約50万頭にとどまっています。1980年代には、象牙目的の密猟によって個体数が10年間で半分以下になるという急激な減少もありました。

■人間の土地利用による生息地破壊

ゾウの危機をもたらす原因のひとつは、人間の土地利用による生息地破壊です。

ゾウ本来の生息地である森林や草地が、水田や油やし(オイル・パーム)プランテーションなどの農地、入植者の集落、金属や石炭の採鉱場に転換され、あるいは道路、鉄道、パイプラインなどによってズタズタに分断されています。その結果、ゾウが使える場所と人間が改変したために使えなくなった場所とがつぎはぎ(パッチワーク)のような状態になっています。ひどい場合には、村と農地に取り囲まれた小さな森の断片に閉じこめられた「ポケットの中の群れ」のようになり、やがては消滅してしまいます。

押し込められた狭い森林の断片のすぐ外側は農地であるため、栄養価の高い農作物に誘われて農地を襲うゾウも増えます。ときには村人に死傷者が出ることもあります。ゾウは村人の激しい怒りを買い、ゾウの保全に対する地域の理解は薄れます。報復的な密猟もひんぱんに起きます。

ゾウ本来の生息地である森林や草地が、水田や油やし(オイル・パーム)プランテーションなどの農地、入植者の集落、金属や石炭の採鉱場に転換され、あるいは道路、鉄道、パイプラインなどによってズタズタに分断されています。その結果、ゾウが使える場所と人間に改変されたりして使えない場所とがつぎはぎ(パッチワーク)のような状態になっています。ひどい場合には、村と農地に取り囲まれた小さな森の断片に閉じこめられた「ポケットの中の群れ」のようになり、やがては消滅してしまいます。

押し込められた狭い森林の断片のすぐ外側は農地であるため、栄養価の高い農作物に誘われて農地を襲うゾウも増えます。ときには村人に死傷者が出ることもあります。ゾウは村人の激しい怒りを買い、ゾウの保全に対する地域の理解は薄れます。報復的な密猟もひんぱんに起きます。

■象牙目的の密猟

押収象牙 はんこゾウの危機をもたらす原因のもうひとつは、商業目的の密猟です。皮や肉も利用されますが、特に象牙は国際的なブラック・マーケットで高額に取引されています。特にアフリカゾウは、象牙目的の密猟が主な原因となって1980年代の10年間で134万頭から62万5000頭まで半減してしまいました。その後、象牙の国際取引が禁止されたことによって、いったんは密猟・違法取引は息を潜めました。しかし、象牙取引再開を求める声の高まりとともに再び活発化、近年かえって激しさを増しています。2006年の1年間だけで3万8000頭のアフリカゾウが象牙目的で密猟されたという専門家の報告もあります。

ゾウの保全のためになされるべきこと

■ゾウの生息地確保

ゾウの保全のためになされるべきことのひとつは、生息地の確保です。

ゾウの生存のためには、必要な生息環境(森林、草地、水辺など)が備わった広い生息地が連続している必要があります。ゾウの個体群(地域的なグループ)の長期にわたる生存を考えれば、数千平方キロメートル(東京都がおよそ2千平方キロメートル)以上の面積の土地が必要といわれています。生息地破壊がさらに悪化すれば、ゾウに未来はありません。

ゾウの生息地を確保するためには、広大な地域を対象にして、その中でゾウの生息地の確保と人間の土地利用を計画的に調整していく必要があります。ゾウの重要な生息地となっている区域はできるだけ多く保護区に指定した上で、内部の生息環境の悪化を防止する必要があります。

 一方、ゾウが広大な生息地を必要とする以上、すべてを保護区で囲うことは不可能です。保護区外となった生息地においても、ゾウを完全に排除するのではなく、土地利用を調整して(たとえば森林の伐採方法や、道路・パイプライン等のインフラ整備に制限を設けるなど)共存をはかる必要があります。こうした調整に対する地元の理解を得るためにも、ゾウによる人身被害や農作物被害を予防するための普及活動などが重要となります。

さらに、ある程度の広さのある生息地パッチ(保護区に指定されたものも含む)どうしを、人の占拠する土地を縫うようにしてつなげることも重要です。そうすれば、ゾウがより広い生息地を使うことができます。生息地パッチどうしを「渡り廊下」のようにつなぐ帯状の生息地を生物学的回廊=コリドーと呼んでいます。ゾウは長い距離を移動する動物なので(特に季節移動)、生息地パッチをコリドーでつなぐことは特に重要です。アジアゾウの実例では、コリドーの幅は0.5~1km、長さは5km未満がのぞましいとされています。あまり狭かったり、長すぎたりすると、人間の利用する土地に出てしまって農作物被害などが起きるリスクも増します。コリドー上の植生は、接続する生息地パッチと同じものであることが多いようです。

■象牙目的の密猟・違法取引の撲滅

ゾウの保全のためになされるべきことのもうひとつは、象牙目的の密猟・違法取引の撲滅です。

そのためには、生息国における密猟の取締りと、生息国・消費国双方での違法取引の取締りが徹底されるようにすることが必要です。そのために、ワシントン条約(CITES)の実施のあり方が重要になります。また、象牙は国際的な商品です。象牙を求める主要な消費者が住むのはゾウの生息国ではなく、その外に存在する、経済的により発展した国々です。日本は中国とともにその筆頭です。消費国において、象牙の需要をなくしていくことが必要です。

収支報告と予算

ゾウ保護基金(JTEF 2015年度 予算)2015年11月1日~2016年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 32,000
年間サポート参加費 2,000,000
寄付金 2,987,600
助成金 4,300,000
支援金積立金取崩収入 950,000
合 計 10,269,600
 
予算:支出 生息地支援 4,000,000
生息地支援金積立金 1,100,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,635,200
チャリティー・イベントの開催 186,400
調査研究 1,200,000
年次報告書・通信発行 193,400
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,954,600
合 計 9,464,382
※共通の収入・支出は、それぞれトラ、ゾウ、ヤマネコへ適正に配分しています。

 

ゾウ保護基金(JTEF 2014年度収支)2014年11月1日~2015年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 25,217
年間サポート参加費 1,170,000
寄付金 3,748,382
寄付金振替額 0
助成金 2,548,100
生息地支援金積立金取崩収入 700,000
受利息収入 105
為替差益 522
合 計 8,192,326
 
     
支出 生息地支援 3,858,187
生息地支援金積立金 950,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,584,946
チャリティー・イベントの開催 311,941
調査研究 15,256
年次報告書・通信発行 213,812
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,466,922
合 計 8,401,064
※共通の会費および経費は、トラ、ゾウ、イリオモテヤマネコへそれぞれの支出割合より、適正に案分しています。

ゾウ保護基金(JTEF 2013年度収支)2013年11月1日~2014年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 46,443
年間サポート参加費 1,352,000
寄付金 3,138,177
寄付金振替額 5,630,741
助成金 0
生息地支援金積立金取崩収入 1,300,000
受利息収入 1,023
為替差益 2,776
合 計 11,471,160
※ 「寄附金振替額」は、「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附)から取り崩した金額です。
     
支出 生息地支援 6,671,736
生息地支援金積立金 700,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,303,576
チャリティー・イベントの開催 789,421
調査研究 0
年次報告書・通信発行 198,701
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,207,735
合 計 10,871,169
※事務局の事務所は、使用権者のご好意で無償で使用させていただいています。。
※ 共通の会費および経費はそれぞれの支出割合より、トラ、ゾウへ適正に案分しています。

ゾウ保護基金(JTEF 2014年度 予算)2014年11月1日~2015年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 117,865
年間サポート参加費 1,950,000
寄付金 4,696,517
助成金 2,000,000
支援金積立金取崩収入 700,000
合 計 9,464,382
※ 「寄附金振替額」は、「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附)から取り崩す金額です。
 
予算:支出 生息地支援 3,900,000
生息地支援金積立金 1,200,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,918,150
チャリティー・イベントの開催 344,496
調査研究 50,000
年次報告書・通信発行 457,500
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,594,236
合 計 9,464,382

 

ゾウ保護基金(JTEF 2012年度収支)2012年11月1日~2013年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 21,368
年間サポート参加費 1,2137,000
寄付金 1,937,054
寄付金振替額 1,210,977
助成金(緑の地球防衛基金) 1,342,000
生息地支援金積立金取崩収入 1,100,000
受利息収入 921
為替差益 25
合 計 6,849,345
※ 「寄附金振替額」は、「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附)から取り崩した金額です。
     
支出 生息地支援 2,580,200
生息地支援金積立金 1,000,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,420,457
チャリティー・イベントの開催 654,021
調査研究 9,617
年次報告書・通信発行 230,130
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 953,093
合 計 6,847,338
※事務局の事務所は、使用権者のご好意で無償で使用させていただいています。。
※ 共通の会費および経費はそれぞれの支出割合より、トラ、ゾウへ適正に案分しています。
ゾウ収支円グラフ2012年

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ゾウ保護基金(JTEF 2013年度 予算)2013年11月1日~2014年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 102,869
年間サポート参加費 2,000,000
寄付金 2,846,391
寄付金振替額 5,046,300
助成金 1,300,000
支援金積立金取崩収入 1,000,000
合 計 12,295,560
※ 「寄附金振替額」は、「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附)から取り崩す金額です。
     
予算:支出 生息地支援 7,200,000
生息地支援金積立金 1,000,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 2,072,028
チャリティー・イベントの開催 486,922
調査研究 41,667
年次報告書・通信発行 266,521
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,228,422
合 計 12,295,560
円グラフ2013年予算
ゾウ保護基金(JTEF 2011年度収支)2011年11月1日~2012年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 33,965
年間サポート参加費 1,214,000
寄付金 3,678,596
助成金(緑の地球防衛基金) 1,379,000
生息地支援金積立金取崩収入 40,000
受利息収入 146
為替差益 10
合 計 6,345,717
※寄付金には、「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附全額)から一部振替えた額が含まれます。
     
支出 生息地支援 2,373,055
生息地支援金積立金 1,100,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,357,751
チャリティー・イベントの開催 376,596
調査研究 2,529
年次報告書・通信発行 296,006
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,170,251
合 計 6,676,188
※ 事務所の家賃は森の風法律事務所にご負担いただいています。
※ 共通の会費および経費はそれぞれの支出割合より、トラ、ゾウへ適正に案分しています。
ゾウ収支円グラフ2011年

ゾウ保護基金(JTEF 2012年度 予算)2012年11月1日~2013年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 87,500
年間サポート参加費 2,000,000
寄付金 5,861,579
助成金 1,200,000
支援金積立金取崩収入 1,100,000
合 計 10,249,079
     
予算:支出 生息地支援 3,500,000
支援金積立金 3,500,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,603,308
チャリティー・イベントの開催 285,150
調査研究 19,887
年次報告書・通信発行 422,323
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 918,411
合 計 10,249,079
円グラフ2012年予算
ゾウ保護基金(JTEF 2010年度収支)2010年11月1日~2011年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 116,694
年間サポート参加費 1,190,000
寄付金 2,577,332
緑の地球防衛基金助成金 1,416,000
受利息収入 524
合 計 6,500,550
     
支出 生息地支援 2,961,502
支援金積立金 40,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,451,156
チャリティー・イベントの開催 444,359
調査研究 216
年次報告書・通信発行 359,971
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,176,840
合 計 6,434,045
※ 事務所の家賃は森の風法律事務所にご負担いただいています。
※ 共通の会費および経費はそれぞれの支出割合より、トラ、ゾウへ適正に案分しています。
ゾウ収支円グラフ2010年

     
ゾウ保護基金(JTEF 2011年度 予算)2011年11月1日~2012年10月31日
予算:収入 年間サポート参加費 2,750,000
寄付金 3,474,457
助成金 1,000,000
支援金積立金取崩収入 40,000
合 計 7,366,900
     
予算:支出 生息地支援 2,730,000
支援金積立金 800,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,782,926
チャリティー・イベントの開催 370,690
調査研究 18,500
年次報告書・通信発行 506,900
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,157,884
合 計 7,366,900
円グラフ2011年予算
ゾウ保護基金(JTEF 2009年度収支)2009年11月1日~2010年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 402,150
年間サポート参加費 1,265,000
寄付金 4,587,239
緑の地球防衛基金助成金 1,398,000
受利息収入 484
合 計 7,652,873
     
支出 生息地支援 1,701,197
支援金積立金 1,200,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,339,536
チャリティー・イベントの開催 921,923
調査研究 17,918
年次報告書・通信発行 484,181
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,171,736
合 計 6,836,491
※ 事務所の家賃は森の風法律事務所にご負担いただいています。
※ 共通の会費および経費はそれぞれの支出割合より、トラ、ゾウへ適正に案分しています。
円グラフ2009年

ゾウ保護基金(JTEF 2010年度 予算)2010年11月1日~2011年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 109,091
年間サポート参加費 2,250,000
寄付金 4,451,515
緑の地球防衛基金助成金 1,000,000
合 計 1,000,000
※ 2009年度に支援金として積み立てた 1,200,000円を、別途収入に繰り入れます。
     
予算:支出 生息地支援 3,900,000
支援金積立金 1,200,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 2,060,000
チャリティー・イベントの開催 1,050,000
調査研究 25,000
年次報告書・通信発行 671,667
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,195,960
合 計 10,102,627
円グラフ2010年

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