活動紹介

トラ保護基金 ―絶滅の危機からトラを守るために―

トラの分布図
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絶滅にひんするトラ

親子トラトラPanthera tigrisは、20世紀初頭には、東トルコからオホーツク海に至るまで、アジアに広く分布していました。熱帯性落葉樹林からシベリアのカバノキ林、川と海が出会うマングローブ林、ヒマラヤ山麓の深い草原というように多様な環境に適応してきたのです。

しかし、その広大な分布も現在では見る影もありません(分布図参照)。また、20世紀初頭には10万頭といわれたトラの数も3,000頭に激減しています(最新の個体数推定の結果などから、さらに少ないとされる可能性もあります)。この間、9つのうち3つの亜種(別種とまではいえないものの、お互いの間で相当の変異が見られる、種の地域的グループ)も失ってしまいました。

■人間の土地利用による生息地破壊

現在トラの危機をもたらしている脅威のひとつは、人間の土地利用による生息地破壊です。

コリドー前で工事ストップトラ本来の生息地である森林が、水田や油やし(オイル・パーム)プランテーションなどの農地、入植者の集落、金属や石炭の採鉱場に転換され、あるいは道路、鉄道、パイプラインなどによってズタズタに分断されています。特に第二次世界大戦後、かつてのトラの生息域はトラが使える場所と人間が改変したために使えなくなった場所とのつぎはぎ(パッチワーク)状態になっていきました。

トラは狭い森林パッチ(断面)に押し込められ、さらにそのパッチは集落と放牧された家畜に取り囲まれました。林内に過剰な燃料木伐採の手が入り、大量の家畜が放牧されています。その家畜を襲ったトラは村人の怒りを買い、「害獣」として銃や毒によって違法に殺されてしまいます(20世紀には、ロシアや中国で大量のトラが報奨金付の害獣として合法的に大量殺戮されました)。

■商業目的の密猟

トラの危機をもたらす脅威のもうひとつは、商業目的の密猟です。(歴史的にはインド植民地時代にイギリス政府の役人とそれに追随するインドの地方有力者がトラのスポーツ・ハンティングに興じ、膨大な数のトラが殺されたことがよく知られています。)

毛皮押収密猟の目的は、毛皮や漢方薬の原材料にする骨です。虎骨入りの漢方薬の主な生産国は中国と韓国ですが、国際的非難の中、両国でも現在は虎骨入りの漢方薬の販売が禁止されるに至っています。しかし、虎骨に対する需要には根深いものがあり、中国は国内販売解禁の機会をうかがっています。虎骨の違法取引事例は世界各地で後を断ちません。日本でも以前は中国などから輸入した虎骨入り漢方薬を合法的に販売していましたが、2000年4月から禁止しています。

■獲物となるシカやイノシシの過剰な狩猟・密猟

トラの危機をもたらす原因のもうひとつは、トラの獲物となるシカやイノシシの過剰な狩猟・密猟です。村人が生活のためや、売りさばくために行っています。

トラの保全のためになされるべきこと

■トラの生息地である森林パッチの環境悪化防止とその間の「渡り廊下」=コリドー確保

トラの保全のためになされるべきことのひとつは、生息地の確保です。

繁殖したトラを新天地に送り出している生息条件のよい森林パッチ(断片)を中心に、トラが生息するできるだけ多くの森林パッチで環境悪化を防止することが必要です。さらに、森林パッチが完全に切り離されないよう、森林パッチ間を「渡り廊下」のように行き来するための生息地を確保することが必要です。このような帯状の生息地(多くは森林)を、生物学的回廊=コリドーと呼んでいます。トラの「コリドー」としてもっとも重要なものは、トラが長年移動に使い続けてきた自然の森です。多少細長くて人の占拠する土地を縫うように伸びるような形でも、完全につながってはいない森が「飛び石」状に続いている状態でも、トラの「渡り廊下=コリドー」の役割を果たす可能性があります。ただし、餌となる動物がある程度豊かであることや人の活動による妨げが少ないことが条件です。
繋がっているコリドー分断されたコリドー

このような生息地確保は、保護区の中だけで達成されることはめったにありません。保護区は、広さや配置のあり方が十分といえないことが多いためです。トラを長期にわたって存続させるだけの生息地確保は、もっと広大な地域を対象に、繁殖が行われたり分散してきた若トラを迎え入れたりする森林パッチ(保護区はこのような生息地の一部を囲んで指定されていることが多い)や移動に使われる生息地=コリドーの配置と、人間が農地や集落として使う土地の配置とを調整することで初めて可能となります。長期の取組みが必要な対策ですが、これに失敗すればトラが長期にわたって生き延びる道は絶えることになります。

■トラとその餌動物の密猟・違法取引の撲滅

トラの保全のためになされるべきことのもうひとつは、トラとその餌動物の密猟・違法取引の撲滅です。

密猟に対しては、短期的・緊急的な対応が必要です。トラの生息地が未だ残されていても、短期に多くのトラが殺され、個体群(地域的なグループ)を支えられない状態になったとき、地域的な絶滅が起きます。

このような事態を避けるためには、生息地の現場における密猟・違法取引の取締りが徹底されるよう早急に具体的対策がとられる必要があります。また、虎骨や毛皮に対する消費需要をなくしていくために、すべての国が足並みをそろえる必要があります。そのために、ワシントン条約(CITES)(⇒野生生物取引に関する調査研究)の実施のあり方が重要になります。

収支報告と予算

トラ保護基金(JTEF 2015年度 予算)2015年11月1日~2016年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 25,200
年間サポート参加費 2,300,000
寄付金 2,883,000
助成金 2,000,000
生息地支援金積立金取崩収入 950,000
合 計 8,158,200
     
予算:支出 生息地支援 4000000
支援金積立金 1100000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1043700
チャリティー・イベントの開催 186400
調査研究 0
年次報告書・通信発行 200400
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1627700
合 計 8,158,200
※共通の収入・支出は、それぞれトラ、ゾウ、ヤマネコに適正に配分しています。

トラ保護基金(JTEF 2014年度収支)2014年11月1日~2015年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 42,107
年間サポート参加費 1,344,000
寄付金 5,620,068
寄付金振替額 0
助成金 (公益財団法人パブリックリソース財団) 2,550
生息地支援金積立金取崩収入 700,000
受利息収入 175
為替差益 872
合 計 7,709,772
     
支出 生息地支援 4,187,312
生息地支援金積立金 950,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 868,569
チャリティー・イベントの開催 294,738
調査研究 5,876
年次報告書・通信発行 217,018
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,376,005
合 計 7,899,518
※共通の会費および経費は、トラ、ゾウ、イリオモテヤマネコへそれぞれの支出割合より、適正に案分しています。

 

トラ保護基金(JTEF 2013年度収支)2013年11月1日~2014年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 46,443
年間サポート参加費 1,352,000
寄付金 3,138,177
寄付金振替額 5,630,741
助成金 0
生息地支援金積立金取崩収入 1,300,000
受利息収入 1,023
為替差益 2,776
合 計 11,471,160
     
支出 生息地支援 6,671,736
生息地支援金積立金 700,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,303,576
チャリティー・イベントの開催 789,421
調査研究 0
年次報告書・通信発行 198,701
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,207,735
合 計 10,871,169
※「寄附金振替額」は、「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附)から取り崩した金額です。
※事務局の事務所は、使用権者のご好意で無償で使用させていただいています。
※共通の会費および経費は、トラ、ゾウ、イリオモテヤマネコへそれぞれの支出割合より、適正に按分しています。
※当年度は、寄附金振替額が相当額にのぼったため、生息地支援の割合が高くなりました。

 

トラ保護基金(JTEF 2014年度 予算)2014年11月1日~2015年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 117,865
年間サポート参加費 2,350,000
寄付金 4,696,517
   
助成金 2,000,000
生息地支援金積立金取崩収入 700,000
合 計 9,464,382
     
予算:支出 生息地支援 3,900,000
支援金積立金 1,200,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,918,150
チャリティー・イベントの開催 344,496
調査研究 50,000
年次報告書・通信発行 457,500
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,594,236
合 計 9,464,382
※共通の収入・支出は、それぞれトラ、ゾウ、ヤマネコに適正に配分しています。

 

トラ保護基金(JTEF 2012年度収支)2012年11月1日~2013年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 50.334
年間サポート参加費 1,517,000
寄付金 2,981,753
寄付金振替額 2,852,554
助成金 0
生息地支援金積立金取崩収入 1,200,000
受利息収入 2,169
為替差益 58
合 計 8,603,868
     
支出 生息地支援 3,483,152
生息地支援金積立金 1,300,0000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,542,154
チャリティー・イベントの開催 817,949
調査研究 776
年次報告書・通信発行 271,526
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,183,584
合 計 8,599,141
※「寄附金振替額」は、「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附)から取り崩した金額です。
※事務局の事務所は、使用権者のご好意で無償で使用させていただいています。
※共通の会費および経費は、トラ、ゾウ、イリオモテヤマネコへそれぞれの支出割合より、適正に按分しています。
円グラフ2012年

トラ保護基金(JTEF 2013年度 予算)2013年11月1日~2014年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 116,923
年間サポート参加費 2,350,000
寄付金 3,175,695
寄付金振替額 5,735,764
助成金 500,000
生息地支援金積立金取崩収入 1,300,000
合 計 13,178,382
     
予算:支出 生息地支援 8,100,000
支援金積立金 1,300,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,625,968
チャリティー・イベントの開催 516,858
調査研究 41,667
年次報告書・通信発行 277,266
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,316,623
合 計 13,178,382
※共通の収入・支出は、それぞれトラ、ゾウ、ヤマネコに適正に配分しています。
2012予算円グラフ

トラ保護基金(JTEF 2011年度収支)2011年11月1日~2012年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 43,473
年間サポート参加費 1,554,000
寄付金 4,828,732
助成金 0
生息地支援金積立金取崩収入 40,000
受利息収入 183
為替差益 13
合 計 6,466,406
     
支出 生息地支援 2,429,488
生息地支援金積立金 1,200,0000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,349,125
チャリティー・イベントの開催 386,506
調査研究 2,400
年次報告書・通信発行 311,753
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,204,359
合 計 6,883,631
※寄付金には「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附全額)から一部振り替えた額が含まれます。
※事務所の家賃は森の風法律事務所にご負担いただいています。
※共通の会費および経費は、トラ、ゾウ、イリオモテヤマネコへそれぞれの支出割合より、適正に按分しています。
円グラフ2009年

トラ保護基金(JTEF 2012年度 予算)2012年11月1日~2013年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 77,500
年間サポート参加費 2,350,000
寄付金 6,980,113
助成金 0
生息地支援金積立金取崩収入 1,200,000
合 計 10,607,613
     
予算:支出 生息地支援 3,700,000
支援金積立金 3,700,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,455,955
チャリティー・イベントの開催 314,157
調査研究 42,720
年次報告書・通信発行 444,243
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 950,538
合 計 10,607,613
※寄付金には「生息地支援事業等目的特定資産」(2011年度にいただいた相続財産ご寄附全額)から一部振り替えた額が含まれます。
※共通の収入・支出は、それぞれトラ、ゾウ、ヤマネコに適正に配分しています。
2012予算円グラフ

トラ保護基金(JTEF 2009年度収支)2009年11月1日~2010年10月31日
収入 正会員年会費・法人賛助会費 746,850
年間サポート参加費 1,610,000
寄付金 7,705,058
受利息収入 898
合 計 10,062,806
     
支出 生息地支援 2,567,500
支援金積立金 1,400,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 1,984,694
チャリティー・イベントの開催 1,409,396
調査研究 26,533
年次報告書・通信発行 622,805
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,735,524
合 計 9,746,452
円グラフ2009年
トラ保護基金(JTEF 2010年度 予算)2010年11月1日~2011年10月31日
予算:収入 正会員年会費・法人賛助会費 127,273
年間サポート参加費 2,750,000
寄付金 5,776,768
合 計 8,654,041
※ 2009年度に支援金として積み立てた 1,400,000円を、別途収入に繰り入れます。
     
予算:支出 生息地支援 2,900,000
支援金積立金 900,000
生息地外での保護活動(政策提言・普及啓発) 2,060,000
チャリティー・イベントの開催 1,050,000
調査研究 25,000
年次報告書・通信発行 671,667
管理費(人件費・水道光熱費・消耗品費、その他) 1,395,286
合 計 9,001,953
円グラフ

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