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ワシントン条約で象牙の売却許可を求めるタンザニア

THISDAY、2009年11月28日

 象牙の在庫の売却許可を得るため、タンザニアは現在もワシントン条約(CITES)について調整を続けている。

 昨日ダルエスサラームで行われた記者会見の一方で、天然資源観光省のシャムシャ ワグンガ大臣はTHISDAYに対し、タンザニア政府は象牙の在庫を売却するため現在もこの国際機関に従っていると語った。 「しかし、我々はCITESにおける象牙取引禁止を遵守するものではあるが、象牙の在庫も処分したい。反対する国もあるが、解禁を支持する国があるからこそ我々は現在も話し合いを続けている」と、Mwangunga大臣は述べた。

 一方で、象牙取引禁止の解除が、大量の象が生息する国での密猟の増加に少なからず繋がる可能性も認めている。 同省のエラスムス・タリモ野生生物部局局長は、タンザニア側の提案を可決し、象牙の売却で得た収益を同国に大量に生息するゾウの保護に充てるべきだと述べた。

 タリモ氏は、売却される在庫の象牙は、年老いたゾウや、個体数の維持を目的として合法的に殺されたゾウのものであると強く主張した。 「押収された象牙が違法なものであることは間違いない。これらは売却はせず、訓練やその他の特殊用途に利用されている」と、同氏は述べた。 Tarimo氏は残る在庫の数については明かさなかったが、およそ90トンの象牙を所有していることが分かっている。

 1989年、CITESの締約国は象牙の取引を禁止した。これまでにない規模で続いたゾウの大量虐殺が拍車をかけた格好となった。1980年代に密猟者によって殺された動物は、年間10万頭にのぼるとみられている。 しかし、14の国々から成る南部アフリカ開発共同体(SADC)の加盟国であるタンザニア、ボツワナ、マラウィ、モザンビーク、ナミビア、南アフリカ、スワジランド、ザンビア、ジンバブエを含む南・東アフリカの9カ国の専門家らが、象牙の在庫を売却する許可の要請をそれぞれの国の政府に提言した。

 専門からはまた、ゾウを、大量に生息する地域から少数の国や地域へ移すことを提言した。 この案は、数が増えすぎたゾウによって農地や農作物に大きな損害が出ている地域から繰り返しあがっているが、ゾウが危機に直面している国での密猟を助長することになると、批判者からすでに激しい反発にあっている。

 東アフリカでは、ケニアが象牙取引の全面禁止を要求している一方で、タンザニアがジンバブエ、ザンビア、南アフリカ、モザンビーク、マラウィ、ナミビア、ボツワナと共に禁止令の解除を求めている。
(翻訳協力 松村理沙)

【JTEFのコメント】

 2008年、中国と日本が行った象牙の正規輸入以来、象牙の密輸が急増しています。密輸象牙の相当な部分がタンザニア由来だといわれています。2002年にシンガポールで押収された大量の象牙はザンビアから輸出されたものでした。2010年3月にドーハ(カタール)で開催されるワシントン条約第15回締約国会議で、もしタンザニアやザンビアからの象牙輸出が合法化されるようなことがあれば、それを隠れ蓑にしてますます象牙密輸がはびこることになるでしょう。
JTEFはそのような提案に強く反対します。


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