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インターポールによる過去最大の国境を越えた野生生物犯罪撲滅作戦。違法な象牙取引が焦点に

インターポール(国際刑事警察機構)の報道関係者に対する発表、2009年11月30日

 インターポールによって調整・計画された、アフリカ中の野生生物犯罪に狙いを定めたものとしては過去最大の、国境を越えた犯罪の撲滅作戦で、2トンを上回る違法な象牙が押収され、100人を超える人間が逮捕された。

 作戦の暗号名は「コスタ」。これは、ブルネイ、エチオピア、ケニア、ルワンダ、タンザニア、そしてウガンダの6カ国にわたる警察職員、野生生物関係当局職員、税関職員、そして国家情報部職員の参加を含む、一連の活動である。  6カ国全ての職員は、店や市場への捜査および手入れ(踏み込み調査)を行った。さらに、国境越えの地点で容疑者の車のチェックをした。違法な象牙同様、ヒョウの毛皮など他の野生生物製品が、没収され、加えて、武器弾薬と車が押収された。

 「コスタ作戦の成功は、記録上過去最大級の押収量、取り戻した違法象牙の押収量の多さだけでなく、効果的に野生生物犯罪に取り組むこと、法律の執行への能力と意思をはっきりと示したという点でも、注目に値します」と語るのは、インターポールのOASIS(作戦補助、サービス、インフラ支援)アフリカの野生生物犯罪企画部長、ピーター・ヤンガー氏である。  「象牙の違法取引は、単に密輸業者や密猟者だけの問題ではないのです。象牙取引と全ての野生生物犯罪は非常に大きな結果を社会にもたらします。法執行機関の職員がこれまで殺されてきました。人々は暴力におびえています。そして、汚職やより広い国家経済への影響。この種の犯罪はこうしたことすべてに絡んでいるのです」。

 「コスタ」は、インターポールの国家中央局およびインターポールのナイロビ地域局に助けられ、こうした作戦のシリーズの第二回目に当たるが、将来の活動に向けての有力な情報と諜報の収集基盤となるであろう。 「こうした違法な物品を市場から一掃することも大切ですが、ことはそれだけではないのです。」とヤンガー氏は述べる。「コスタ作戦は、また、アフリカにおいても、さらに遠く離れた地においても、法の執行を可能にし、密輸業者の使用するルートとその密輸組織を突き止め、最終的には、こうした犯罪に絡んだ他の人物たちを逮捕することにつながるでしょう」。

 コスタ作戦は、インターポールのOASISアフリカがイニシアチブを取って調整・計画したが、ドイツ連邦共和国政府の資金提供を受けている。また、さらなる作戦への支援と資金をカナダ人道協会(Humane Society Canada)から得ている。 ある諸国の犯罪の脅威に取り組む能力を地域規模でも地球規模でも高めることで、アフリカ諸国が21世紀の犯罪と闘うための、地球規模のかつ統合された手法を発展させることを支援する。

 コスタ作戦の名は、タンザニア自然資源・観光省野生生物部門元部長Constantius ‘Costa’ Aloysius Mlayを記念して付けられた。コスタ作戦は、インターポールの調整・計画するアフリカにおける野生生物犯罪の撲滅を狙いとするこうしたイニシアチブとしては、第2回目である。第1回目のババ作戦は、2008年11月に行われ、コンゴ、ガーナ、ケニア、ウガンダ、そしてザンビアでの展開で、60名近くの人間を逮捕し、違法な象牙を1トン押収するという結果だった。 コスタ作戦の最終結果は、現在詳細な情報を整理している段階である。
(翻訳協力 蔦村的子)

【JTEFのコメント】

 「法律で禁止されているはずの野生生物製品の取引が巷で横行している。まさに無法状態というケースもまれではない。。。」それが少なからぬアフリカの国々の実態です。そのような状況にあったら、誰が法律など守るでしょうか。我先に目先の利益獲得に走るはずです。そしてますます法律の存在価値は失せていきます。このような悪循環を断ち切ることこそ、インターポールが多くのアフリカ諸国政府にはたらきかけ、コーディネーターとなって一斉摘発活動を行う狙いです。特に、アフリカの国々ではびこっている違法象牙は、世界へ流出する密輸象牙の温床になっています。

 JTEFは、アフリカゾウを保全するために密猟から守るために、インターポールの戦略がとても重要だと考えています。そこで、2008年度には、今回のコスタ作戦に続く一斉摘発作戦のため、インターポールへ支援金を寄付しました。 コスタ作戦に続く大きな成果を期待しています。


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