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ゾウのニュース & JTEFのコメント

東アフリカで約2トンの象牙を押収

TOM MALTI、2009年11月30日

 国際刑事警察機構(インターポール)とケニア野生生物公社は、「アフリカ六カ国の作戦において、各国の取締当局は輸入雑貨店の強制捜査を行い、複数の検問で車両を止め、警察犬を用いるなどして、3,800£(1,768kg)の不法の象牙を発見し押収したことを公表した。

 インターポール東アフリカの責任者であるアワド・ダヒナ氏は、3ヶ月の長期作戦中に取締当局は、ヒョウ、クロコダイル、蛇皮など象牙以外にも違法に取引される野生動物製品を押収したと述べている。 作戦は、インターポール警察組織とブルンジ、エチオピア、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ各国の野生生物当局、警察、税関などによって遂行されたとされている。また、65人(中国人3人、タンザニア人3人、ケニア人59人)が逮捕されている

 ケニア野生生物公社の種の保全局長であるパトリック・オモンディ氏は「今回の作戦実施に当たって過去2年間を通してケニア国内で密猟が増加していることに注目していた。2007年の47頭に比べて今現在で216頭以上の象が殺されている」「2007年以降密猟が増加していると思われる。その要因の一つとして、その年に象牙の国際間取引が部分的に解禁され、2008年に象牙が売却されたことがあげられる」と述べている。 アフリカゾウの個体数が増大しているという理由で、2007年、1回限定で、ボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエで国際間の象牙取引が許可された。2008年11月に各国は自国の保管していた象牙を売却している。

 9月にケニア人とエチオピア人の職員が自国の主な国際空港で2,600£(1,200kg)以上の象牙を押収した。ケニア野生生物公社のスポークスマンのポール・ウダト氏によれば「押収はタンザニアの野生生物保護機関職員にちなんだコード名:コスタ作戦の1つである」。 ダヒア氏によれば「ケニア人の職員が1,252£(568kg)の象牙を押収した」と月曜日に発言した。けれどもいつ押収したのかとは発言しなかった。

 ケニア人の職員達は「6カ国の作戦で、押収された象牙の量が増加するかもしれない。なぜなら他の国々はまだ自国の密猟品について公表していないからだ」と発言している。 野生生物保護局幹部のフォンベンチュア・エバイ氏は「エチオピアの職員達が首都であるアディスアベバの複数の輸入商品店で強制捜査を行ない、保管されていた不法の象牙を押収したが、総逮捕者数をまだ計算している」と発言した。 アフリカ野生生物局の強制捜査を統合的に実施する地域組織である、ルサカ合意タスクフォース局長のエバビ氏は「当調査に関係した他の国々はまだ押収された不法の象牙製品のリストを集計しているので、押収量はまだ増える可能性がある」と述べている。

 象牙の取引が1989年に国際的に禁止されるまで、アフリカの多数の国々でゾウの数は大幅に減少していた。1989年時の16,000頭から2009年現在35,000頭まで増加したように取引禁止以降ケニアのゾウの個体数は増加している。しかし、1973年時点での推定167,000頭よりも依然としてはるかに少ない。
(翻訳協力 影山聡明)

【JTEFのコメント】

 「法律で禁止されているはずの野生生物製品の取引が巷で横行している。まさに無法状態というケースもまれではない。。。」それが少なからぬアフリカの国々の実態です。そのような状況にあったら、誰が法律など守るでしょうか。我先に目先の利益獲得に走るはずです。そしてますます法律の存在価値は失せていきます。このような悪循環を断ち切ることこそ、インターポールが多くのアフリカ諸国政府にはたらきかけ、コーディネーターとなって一斉摘発活動を行う狙いです。特に、アフリカの国々ではびこっている違法象牙は、世界へ流出する密輸象牙の温床になっています。

 JTEFは、アフリカゾウを保全するために密猟から守るために、インターポールの戦略がとても重要だと考えています。そこで、2008年度には、今回のコスタ作戦に続く一斉摘発作戦のため、インターポールへ支援金を寄付しました。


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