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ケニア、象牙とサイの角の取引禁止継続を世界に呼び掛け

APA、ナイロビ(ケニア)、2009年12月21日

 ケニアのノア・ウェクサ森林・野生生物省大臣は、象牙とサイの角の取引禁止の継続を国際社会に呼びかけた。

 大臣は、タンザニアが、隣国であるケニアに何の相談もなく、2010年にドーハで開催されるワシントン条約締結国会議に、象牙販売許可を求める提案をしたことで、タンザニアを非難した。両国は、マサイマラとセレンゲティ、ツァボ・ウエストとムコマジ、アンボセリとキリマンジャロの両国の保護区をゾウは行き来している。

 「こうした姿勢を取っているタンザニアと生態系が同じために、ケニアでは、密猟で殺されるサイとゾウの数が増加傾向にある」と、2009年12月21日付APAでの声明文の中で大臣は述べている。 この声明文によると、ケニアは、レンジャーの死を含め、野生生物保護に対して重点的に取り組まねばならず、象牙とサイの角の取引に対するケニアの姿勢は変わらないという。

 また、ケニア野生生物公社の種の保全局長であるパトリック・オモンディ氏によると、アフリカでは密猟が増加しており、南アフリカでは150頭のサイが、ジンバブエでは100頭のサイが密猟で殺されている。 さらに同氏によると、2009年だけでケニアでは214頭のゾウの命が密猟で失われており、2007年の47頭と比較すると憂慮すべき傾向にあるという。同氏は、ワシントン条約で許可された2007年の南アフリカ4カ国による一回限りの象牙の販売が原因であるとしている。

 「象牙とサイの角の取引が密猟を刺激していることは、経験上明らかだ。だからこそケニアは、ドーハで開催される次回のワシントン条約締結国会議における象牙取引問題に対し、こうした姿勢を取っているのだ」と、同氏は語った。
(翻訳協力 梅村佳美)

【JTEFのコメント】

 ワシントン条約会議で、1国でも、それがたとえ1回限りだとしても、在庫象牙の取引が認められると、とたんにゾウが生息する他の国々での密猟が増加しています。今までもケニアは保護強化を求める提案をワシントン条約会議に提案していました。今回はケニアのゾウが直に行き来している隣国タンザニアが象牙取引を求める提案を出したことで、ケニアが今まで以上にゾウの密猟を懸念するのも当然です。


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