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ケニア、象牙所持で中国人を逮捕

ナイロビ発、2010年08月26日

 ケニア野生生物公社(KWS:Kenya Wildlife Service)は8月26日、数日前に首都ナイロビで起きた象牙の大量押収事件に続き、中国人一名が象牙の違法所持により懲役18カ月の判決を受けたことを明らかにした。

 KWSによると、男は8月24日、ケニア航空の飛行機内で象牙の箸10本と腕輪2個を違法に所持していたところを逮捕された。男はその後、野生生物のトロフィーを許可なく所持していた容疑について罪を認めた。

 この判決は、当局がナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港で、マレーシア行きの2トンを超える違法象牙とサイの角5本を押収した数日後に下された。押収された象牙は、ウガンダとモザンビークからのもので、アボカド入りとリストに記載されている木箱に隠されていた。KWSによると、容疑者の男は違法トロフィーの届け出を怠った容疑について無罪を主張しており、荷主についてはいまだに捜索中である。

 象牙取引は1989年に禁止されたが、極東地域での需要拡大に伴い、違法販売が後を絶たない。ケニアのゾウの個体数は、象牙取引禁止以前の15年間で15万3千頭から1万9千頭まで激減したが、取引禁止以降は約3万5千頭まで回復した。しかし、KWSによると、再び密猟は増加傾向にあるという。ケニアでは、2007年に47頭のゾウが密猟の犠牲となったが、2009年にはその数は204頭にのぼった。
(翻訳協力 梅村佳美、柳川さやか)

【JTEFのコメント】
 2010年にワシントン条約締約国会議があり、タンザニアとザンビアが自国のゾウを取引禁止のリスト(附属書Ⅰ)から許可証があれば取引できるリスト(附属書Ⅱ)への掲載移行を求めていました。この提案は通りませんでしたが、2009年に密猟が増加したのは、取引が再開された時、密猟象牙もうまく潜らせ売ろうと考える違法業者が活発化したことを示しています。日本や中国のように象牙を欲しがる国があるかぎりゾウの数が減少しても密猟は止まりません。


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