ゾウのニュース & JTEFのコメント
オランでトラを調査するカメラが密猟者の姿を捕捉
自動撮影カメラを使って野生動物を撮影しているアッサムで、今回、初めてオラン国立公園で密猟者の姿を捉えた。
今日の記者会見でこのニュースを発表したアッサムのスレシュ・チャンド(Suresh Chand)主席森林(野生動物)保護官は、木に吊るした自動撮影カメラが、1月9日にサイを殺害した密猟グループの撮影に成功していると述べた。「木に設置したカメラが同エリアを移動していた密猟グループを撮影しました。このグループはサイを殺害する目的で侵入しました。」
この密猟グループは303丁のライフルを所持していた。
オラン国立公園の自動撮影カメラは、野生動物保護のNGO、Aaranyakがトラの実態調査のために設置した。約70台のカメラが公園内に計画的に配置されている。
チャンド氏は、同一グループと思われる密猟グループが1月5日に侵入していたと述べた。しかし、同月9日のサイの殺害を許してしまうこととなった。チャンド氏は9日、密猟グループがルートを変えることでサイの殺害に成功したと述べた。
オラン国立公園を担当するS.K. ダイラ(Daila)森林保護官は、この密猟グループが真夜中にサイを攻撃するという新たな作戦を取ったと述べた。「我々は、密猟者たちが夕暮れ時や夜明け前に襲う姿を目撃してきました。しかし、今回の密猟グループは夜中の1時半ごろにサイを襲いました。彼らはかなりの至近距離からサイを撃っています。」
1月9日に当番をしていた職員、N. チャムア(Chamua)が停職処分を受ける。「彼が密猟グループに協力していたと我々は考えています」と、チャンド氏は述べた。当局は、この密猟グループが外部からの侵入者であったことから、撮影した写真を近くの警察署に提出したと伝えた。「森林局が密猟グループの特定に対して45,700円(2月12日レート)の謝礼を支払うと発表しています」と、Chand氏は述べた。同氏によると、オランでサイが殺害されたのはこの一年後だったという。
インド全体でみると、2009年には14件報告されていたサイの密猟の件数が、2010年は7件だった。オランのサイの数は、2006年には68頭が確認されたが、2009年に確認されたのは64頭だった。
オランでカメラを使ってトラの密猟を監視しているAaranyakのフィロズ・アーメッド(Firoz Ahmed)氏によると、カメラの撮影時に密猟者が現れたのは偶然だという。「上手く撮影できるようカメラを計画的に配置していますが、特に密猟者の撮影を意図したものではありません」と、同氏は述べた。
2009年に森林局とAaranyakが共同作成したトラの自動撮影の報告書によると、7頭のトラ(オス2頭とメス5頭)がオラン国立公園内で確認されている。昨年7月、森林警護隊が遭遇した密猟者2人を殺害し、武器や銃弾を押収した。昨年3月にも別の密猟者を殺害している。Chand氏は、ゾウの個体数調査をアルナチャル・プラデッシュ、メガラヤ、西ベンガルなど近隣の州で一斉に行うと述べた。この調査は2月21-26日に行われる。
(翻訳協力 松村理沙)