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ジンバブエ、トロフィーハンターによって数百万ドルの損失

サザン・タイムズ、2011年03月22日

ジンバブエでは、ごく限られた人たちにだけ自然保護区の土地が分配されているのだが、この土地を百万ヘクタールも所有している野生生物産業の大物たちが、伝えられるところによると、狩猟の売上高を低く申告し、海外の口座へ大金を吸い上げることによって米ドルにして何百万ドルもの損害を国に与えているという。

これら経営者の多くは政府の現地化政策を拒絶しているといわれているが、自家用飛行機を使ってハンティング・トロフィーを違法に輸出することもできるということが先週明らかになった。

国のあちこちに広がる7ヶ所の自然保護区のうち4ヶ所の所有者は、現地人に対して何がしかの敵意を抱いてはいるものの彼らをビジネス・パートナーにすることに同意したと伝えられているが、他の3ヶ所の所有者は、所有権の51パーセントを現地人に譲渡することを強制する政府の現地化政策を全面的に拒絶してきた。

国立公園・野生生物管理局はそれ以来、現地化の概念が十分に受け入れられるまで狩猟割当の発行を多くの地域で停止している。

局長のビタリス・チャデンガ氏は、割当の発行に関する手続きを改めたことや、自家用飛行機によるトロフィーの国外への密輸を可能にする抜け道の存在を認めている。

「トロフィー申告用紙は記入後に地方銀行に提出されます。申告用紙には狩った動物の頭数と売上高が詳細に書き込まれます。私達職員は狩猟については確認しますが飛行場の取締りは行いません。」

自然保護区の経営者らは何百万ドルも荒稼ぎしていると見られているが、政府への支払いは遥かに低額だ。

関係筋によると、狩猟は21日を越えて行われ、経営者は各々1日当たり平均で52,000米ドル(約440万円)を手にするという。トロフィー料金や他の費用は狩猟の成果によって支払われる。

集められた金は、トロフィーの個別輸出額の6パーセントを政府が、2パーセントを公園管理局が得る権利が与えられている。

しかし、売上高を低く申告した経営者もいたという報告が複数ある。相当な頭数を狩猟したにもかかわらず、少ない数を申告したというのだ。

その後、彼らは狩猟で儲けた多額の金を海外の口座に入金し、後に国外でその銀行から引き下ろすという。狩猟料金は、ゾウ、バッファロー、ヒョウがそれぞれ1日、2,500米ドル(約212,000円)、1,500米((約127,000円)ドル、1,200米ドル((約101,600円)に設定されている。

ライオン1頭を仕留める費用は20,000米ドル(約1,694,000円)、雄ゾウ12,000米ドル(1,016,700円)、カバ4,000米ドル(339,000円)、クロコダイル5,000米ドル(約423,600円)、チータ2,700米ドル(約228,700円)だ。

シマウマは1,000米ドル(約83,800円)、ウォーターバック1,800米ドル(約15万円)、ブッシュバック1,000米ドル(約83,800円)。ハイエナ1頭とインパラ、ウィルドビースト、イボイノシシなどを狩るとハンターは400から1,000米ドル(約33,500円~83,800円)とられる。

最も安いのはヒヒで、料金は60米ドル(約5000円)である。

自然保護区の経営者らはそれに加えて、鳥類狩猟ライセンス料の300米ドル(約25000円)だけでなく、出荷当たりトロフィー10個未満で800米ドル(約42000円)に設定されているトロフィーの洗浄消毒と梱包料金も稼いでいる。

出荷費用はトロフィー最低10個で1,000米ドル(約83,800円)、15個で1,500米ドル(約125,800円)である。運賃は台当り600米ドル(約50,000円)くらいであるが、航空機チャーター料金は最低で1,500米ドル(約125,800円)である。また、ハンティング客は予約を確実にするために、狩猟の2ヶ月以上前に狩猟日額料金の50パーセントを返金不可の保証金として経営者の海外口座に振り込んでいるものと思われる。伝えられるところでは、現地化並びに経済自立化法(Indigenisation and Economic Empowerment Act)の観点から環境・天然資源管理省によってハンティング産業権のリースが認められた現地人もいたのだが、野生生物狩猟産業の大物たちはこの実入りのよいビジネスを現地人と分け合うことを嫌がったということだ。

この法律は、外資系企業の株式の51パーセントを現地ジンバブエ人に保有させることを謳っている。野生生物狩猟産業の経営者とジンバブエ人の新株主との間で意見の不一致があると、チャデンガ氏は認めた。

「政府は、野生生物に基づく国土改革政策を導入しました。しかし、新株主と協力することに対して、既存の農場経営者らから強い反発が出ています。農場によって『現地化』の段階はさまざまです。我々は既存の農場経営者と新株主が協力するのを期待しています。彼らは実行可能なプランを考え出さなければなりません」と、チャデンガ氏。

現地化政策に最も強固に抵抗していると報じられているのは、サベ・バレー、ブビ、マリラングェなどの自然保護区の経営者らである。一方、チレジ、ブビアナ、ミッドランズ・ブラックリノ、グウァイの自然保護区では、経営者は不承不承ではあるものの現地化がそれぞれに行われていると見られている。

マシンゴ州行政当局は政府と会談した結果、新株主と従来の自然保護区所有者が連名の申込書を提出しない限り、新たな狩猟許可証の発行を停止する旨を支持する決定をした。

国立公園局の最高責任者のジョージ・パンゲティー氏は、現地人と明確なパートナーシップを築いている者にだけ新たな許可証を発行する予定だということを強調している。
(翻訳協力 松崎由美子)

【JTEFのコメント 2011年4月】
1987年にムガベが大統領になって、長年ジンバブエを支配していた白人は農場を没収されるなど締め出されましたが、ジンバブエ人と今も残っている白人との対立は続いています。


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