ゾウのニュース & JTEFのコメント
ケニアで700キログラムの象牙を押収
ナイロビ、ケニア、6月22 日—— 金曜日、ジョモ・ケニヤッタ国際空港で少なくとも345本、総量745キログラムの象牙が押収された。ケニア野生生物公社(Kenya Wildlife Service, KWS)の担当者と日常の勤務についていた警察官が発見した。
象牙は自動車の補助部品と見せかけ、6つの木枠のケースに入れられていたと 空港の警察責任者であるジョセフ・ニグサ氏が述べた。
「これらの象牙は、自動車のスペアパーツと記載されていました。ナイジェリアのラゴス行きです。総量は700 キログラムになります」。
空港で職員は、「まだ象牙を数えてはいないが、金曜日の夜遅くに、その作業に入りました。金曜日の夜の時点では誰も逮捕されていないが、警察は空港に象牙を持ち込んだ連中を突きとめると言っています」と述べた。
「現在のところ、まだ一人も逮捕しておりませんが、われわれは絶対に犯人を捕まえます」とニグサ氏。
「捜索犬が見つけました。すぐに見つからないように胡椒が散布されていましたが、役にたたなかったのです」とケニア野生生物公社(KWS)のスポークスマンであるムグア氏は電話で話した。
ここナイロビで開かれた早朝の記者会見で、ムグア氏は、現在、象牙の出所を明らかにするために犯罪科学研究所を立ち上げている途中であると語った。
「われわれは、すぐにここで、犯罪科学研究所の建設に取りかかる予定です。DNA 鑑定などの技術を行使して象牙の出所を明らかにするためです。現地点では、いろいろな箇所で、手がかりになる何かを採集、押収しても、その発端を知ることが難しいのです」
KWSの報告によると、今年の1月以降、ケニアの国立公園では、133頭のゾウと11頭のサイが密猟にやられている。
ここ1週間だけでも、KWSのレンジャーがライフル銃6丁、ピストル1丁、弾薬109発、総量6キログラムの3本の象牙と、52キログラムの野生生物の肉を回収した。
「ワシントン条約(絶滅のおそれある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の定めるところにより、ケニアが違法な野生生物製品の取引における中継点になっているとは考えにくいです」とムグア氏。
同氏は、ゾウの生息国で特に象牙を目的とした密猟が多発している原因として、国際市場において象牙の需要が増加していることをあげている。
「この先、国の部隊を近代化させるなどの献身的な計画によって、野生生物保護の法律の執行を強化するつもりです。レンジャーには、最新式の装備を持たせ、密猟者たちと戦うという任務を遂行できるようにします」と同氏は述べた。
KWSは、国と地域、そして国際的な安全保障機関と連携し、違法な野生生物取引を封じ込める努力を重ね、1月以来、疑わしい1179人が逮捕され起訴に至っている。
40 丁のライフル、770 発の弾薬も回収され、その他にも、密猟者たちが保持していたと思われる残酷な武器、毒矢、弓、わな、やり、おのなども押収された。
「密猟者との闘いに勝つために、野生生物とともに生きている地域の住民の方の自発的な密猟者に関する情報提供がぜひとも必要です。この悪徳な行為を根絶するためにもぜひ協力をお願いします」とムグア氏は嘆願した。
【翻訳協力】石塚信子
需要があるから野生動物たちは殺されます。それも、儲かるとなると密猟する人、させる人が色めきだっています。
象牙取引は1989年に禁止になりましたが、日本ではそれ以前のものだと言って象牙のハンコが今も堂々と売られています。本当に今売られている象牙製品が20年以上前のものなのでしょうか。まだストックが無くならずにあるのでしょうか。
昨年、象牙業界の役員が違法に象牙を取引し、逮捕されました。有罪判決を受けています。それなのに、象牙業界はまだ象牙の輸入を求め、来年開催されるワシントン条約締約国会議でも提案するでしょう。
ゾウを殺して、ゾウのいる自然環境を壊して、それでも、ハンコは象牙でなくてはいけないのでしょうか。