ゾウのニュース & JTEFのコメント
タンザニア、密猟のため年間で1万頭のゾウを失う
タンザニアでゾウの密猟が深刻です。年間1万頭もが殺されています。タンザニア政府はワシントン条約締約国会議で、象牙販売の許可を求めています。販売で得たお金をで密猟防止に使うというのです。
タンザニアは、密猟のため毎日30頭のゾウを失っている。その数は衝撃的なことに、年間では1万頭になる。タンザニア政府は、その状況は財源不足のため実際上逆転できないでいると述べている。
タンザニアのゾウの頭数は、ある報告書によると15万頭未満であるということだ。同じことがアフリカ大陸にもあてはまる。ゾウの頭数は減少し、1977年には130万頭以上いたゾウが、今日では47万頭にまで減少している。
タンザニア政府は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITESワシントン条約)の締約国会議で、密猟と闘うための財源を集める目的のために、象牙の積送品の販売許可を求めている。
「ゾウの密猟は大変深刻で、問題の重大さを縮小するために多くの財源が必要になる…。」と自然資源及び観光省の副長官であるラザロ・ニャランドュは、今週末にインドのハイデラバードで述べた。今日開催される、アフリカの国立公園における観光事業の維持可能な管理についてのフォーラムに関して、ジャーナリストに概要を伝えていたのである。
タンザニアにおける在庫象牙を販売しようとしていることの背後にある戦略について説明し、副長官は、東南アジアや残りの世界からの需要を満たすために増加中の密猟と闘うために、集められた資金を用いるつもりであると述べた。
「 もしワシントン条約国会議でタンザニアが在庫象牙を販売することを許可されれば、タンザニアは、2千万ドル以上を得るであろうとされるが、それはゾウや絶滅の危機にある野生生物種の保護に直接利用されることになる。」と当副長官は詳しく述べた。
最近、国会の土地・天然資源・環境に関する委員会の議長であるジェームス・レンベリは、2006年から2009年まで3万頭のゾウが密猟者により殺害されていたことを明らかにした。
セルーやミクミ保護区にかけての一帯や他の保護区や公園のような保護された地域では、ゾウの密猟が多く、そのペースは増しており、責任は、財源や装備の不足、それに密猟に抵抗するために訓練された要員の不足にある。
「野生生物部門において多くの職員を雇用すべきであるし、将来の世代のために森の基幹施設を、ゾウを保護する目的で再建しなければならない。」と、レンベリはタンザニア政府に忠告した。
【翻訳協力】 日原直子
タンザニアはアフリカ諸国の中でも1,2位を争う個体数のゾウが生息しますが、密猟防止体制は十分とはいえません。今タンザニアでゾウの密猟が増えている理由はそれだけではありません。来年3月にタイで開かれるワシントン条約締約国会議で、タンザニアは在庫象牙の1回のみの取引が認められるよう提案を出しています。1回限りでも取引が行われることになれば象牙マーケットが刺激され、密猟が助長されます。正規取引を認めれば、それが隠れ蓑となって密猟した象牙を潜り込ませることも容易になります。厳しい規制がなければ、密猟は増加するだけです。象牙を売ったお金を密猟防止につかうといっても、売ったことによって密猟を増やしてしまったのでは全く意味がありません。