ゾウのニュース & JTEFのコメント
タンザニア政府、違法な象牙取引を制限する動き
アフリカゾウの虐殺や密猟によるタンザニアやケニアからの違法な象牙の押収は、数十年間に急増しています。反政府武装勢力が関係していると見られています。
ダル・エス・サラーム —タンザニアは、東アフリカ諸国が参加する密猟に関する国際会議を主催する計画をまとめた。象牙の密猟や違法売買、違法輸出を制限しようとするタンザニア政府の努力の一部としてである。
「東アフリカビジネスウィーク」紙に、天然資源・観光旅行省の報道部長ジョージ・マチコ氏は、カミス・カガシェキ観光旅行大臣大使が国連安全保障理事会からの要請に応答したと述べた。その要請とは、アフリカゾウの密猟やその象牙の密輸に反政府武装勢力「神の抵抗軍(LRA)」が関係している疑いがあるため調査せよ、というものである。
マチコは、観光旅行省は国際コミュニティーを結集して、アフリカ諸国からの違法な象牙の輸出を制限しようとしていると述べた。
彼は、ゾウの虐殺やタンザニアやケニアからの違法な象牙の押収は、数十年間に急増したと述べた。「こうしたゾウの密猟や象牙の密輸の傾向は、タンザニアのいいかげんな警察官が関係しており、そのため対処するのが大変困難になっている。」
さらに最近、地元の報道機関はカガシェキ氏を引用して、以下のように述べている。つまり、タンザニア政府は5,550万ドル(505億5百万円 1ドル=91円<1/31現在の為替レート>)以上の価値のある100トン以上の象牙を中国や日本に販売して歳入を増やそうとしているというのである。10月初旬に提出された要望書は、3月にバンコクで開催される次のワシントン条約締約国会議で討議されることになっている。既に、自然保護グループやいわゆる「ゾウ分布域」国から、難色を示した強い非難の声がある。
タンザニアは、申請書の中で、これから販売されることになる象牙は、密猟者から押収されたものや産地が怪しいものは除外すると述べた。ワシントン条約締約国は、まだタンザニアが180°政策を転換したことを確認していないが、先週、国際新聞の諜報部は、タンザニアがその申請書を撤回したと報告している。
翻訳協力:日原直子
タンザニアがワシントン条約締約国会議で提案していた備蓄象牙の取引提案を撤回したのは、まさにタンザニアのいいかげんな管理形態を、ワシントン条約事務局が指摘したからです。ゾウを観光資源として大事にしている隣国ケニアのように、これをきっかけにタンザニアが政策を転換するかは未定です。確認されているのはタンザニアでゾウの密猟が非常に多いということです。