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ナイロビ空港でベトナム人象牙密輸業者5人を逮捕

新華社通信 2013年1月25日

アフリカゾウやサイの密猟が増加しています。象牙やサイ角の行先はアジア。装飾品や漢方薬としていまだに珍重されているのです。

ベトナムパスポートを所持する象牙密輸の容疑者たちの身柄は起訴の際に協力が必要な通訳が見つかるまで警察が拘束する。
ナイロビ(新華社通信)--東アフリカ諸国が密猟対策を強化する中、ケニア当局はベトナムパスポートを所持する象牙密輸業者5人を逮捕した。

ケニア野生動物公社(KWS)によると5人の容疑者は火曜夜、ジョモ・ケニヤッタ国際空港(JKIA)にアンゴラのルアンダから到着し、タイのバンコク行きのケニア航空KQ771便に乗り継ぐ際、逮捕された。
KWSの発表によると、逮捕されたのはブ・ティ・ダン容疑者30歳、グエン・クアン・ビン容疑者52歳、グエン・ティ・タオ容疑者30歳、レ・ティ・サー容疑者33歳、パム・ゴック・タン容疑者40歳の5人で、ペンダント3個、バングル8個、ネックレス3個を含む様々な加工象牙製品を所持していた。
発表によると「ケニア空港警察部隊、税関職員、ケニア航空職員とKWSから成る合同治安部隊が容疑者たちを発見、逮捕に至った」という。
KWSの発表は、去る1月15日にモンバサ港でタンザニアからインドネシアへ向かう船から装飾石に偽装した116万米ドル(約1億円)相当の象牙638点が押収されたのを受けて行われた。
違法象牙の流通を取り締まるためナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港とモンバサのモイ国際空港ではKWSが導入した探知犬部隊が24時間体制で警備を行っているが、密猟の横行は続いている。
探知犬部隊は2009年以来、計10トン以上の未加工及び加工象牙を発見してきた。

KWSは密猟がゾウ、ライオン、サイといった野生動物の生息数減少を引き起こす深刻な脅威であった1970年代から80年代の再来となる懸念を表明している。長年の保護活動の努力を経てようやく生息数が増えだした動物たちが脅かされている。
政府の統計によると2012年ケニアではゾウ384頭、サイ19頭が密猟者の犠牲となったが、その前年の被害総数ゾウ289頭、サイ29頭と比べるとゾウ、サイの合計数の増加は明らかだ。
KWSによると2012年にケニアは4人のレンジャーを失い、現在密猟者たちは洗練された装備を手にしている。彼らは何としても違法貿易を続けていくための準備を整えているという。
保護活動家たちも組織犯罪シンジケートによる野生動物の違法な国際取引参入に非難の声を上げている。とりわけサイの角と象牙に関しては多くのアフリカ諸国が危機的状況に陥っているという。

KWSは先のベトナム人象牙密輸容疑者たちの起訴に向けて協力を得られる通訳を探している。
ナイロビの判事命令により、ベトナムパスポートを所持する象牙密輸容疑者たちの身柄は、起訴の際に協力が必要な通訳が見つかるまで警察が拘束する。
東アフリカ諸国は未だ世界各地へ野生動物製品や特に象牙の違法な委託販売品を輸出するための重要な貿易ルートであり、活気あるジョモ・ケニヤッタ国際空港やモンバサ港はその経由地となることが多い。
【翻訳協力】秋谷亜希子

 
【JTEFのコメント 2013年2月】

2012年のゾウ密猟数の多さは1970年代〜80年代の悪夢の再来だとありますが、日本が象牙取引禁止前の1979年から1988年までの間、正規に輸入した未加工象牙は約2,727トン。ゾウの数にして12万頭前後にもなります。この期間は、まさにアフリカ大陸でゾウが象牙目的で大量殺戮されていた時期と重なります。日本以外のアジア諸国での象牙需要が高まったのは確かですが、そのきっかけは象牙を買い続け消費続けた日本だとも言えます。


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