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ポール・サダラ(Paul Sadala)、コンゴの銃撃戦で死亡

ロイター通信 
2014年4月15日 Peter Jones

キンシャサ - コンゴ民主共和国政府によると、誘拐やレイプ、人肉食の罪に問われている民兵組織のリーダーが、軍による拘束から逃走しようとして銃撃戦になり、ほかの4名とともに殺されたという。

ポール・サダラは密猟者から民兵組織のリーダーになった人物で、「モルガン」として知られる。コンゴのオリエンタル州で活動していたが、土曜日、およそ40名の手下とともに投降してきた。

政府報道官のランバート・メンデがロイター通信に明かしたところによると、軍によってBunia市に連行される際に、モルガンが同行の兵士を攻撃したという。

「銃撃戦になり、その結果軍の兵士が2人、彼自身の手下も2人亡くなりました。モルガンは逃走を試みましたが、重傷を負いました」と、報道官は述べた。

メンデ報道官によると、モルガンは治療のためにヘリコプターで搬送されたものの、出血多量により途中で死亡したという。

2012年以降、モルガンはオカピ野生生物保護区の住民に繰り返し攻撃を加えてきた。

国連の専門家は12月に、モルガンは目標をゾウの密猟から金鉱の略奪に切り替えたと述べた。国連は、人々を誘拐して略奪品を運ばせ、女性を強制的に民兵組織メンバーの性奴隷としているとして、モルガンとその手下を告発している。

また7月に発表された別のレポートでは、以前捕虜になっていた人々から、「マイマイモルガン」と呼ばれるグループは数度にわたり人肉を食していたと聞かされたと、報告している。

モルガンの民兵組織は、コンゴ東部の無法地帯にはびこる、殺人もいとわない武装グループの複雑に入り組んだネットワークの一端でしかない。これらのグループのほとんどは、金やダイアモンド、錫、銅、コルタンなど、コンゴの広大な鉱床の支配を競い合うことによって活動資金を得ている。

11月にコンゴ共和国軍は、国連平和維持部隊とともに、最大の反政府武装勢力であったM23を打ち倒した。M23は過去10年以上にわたってジョゼフ・カビラ大統領に対する最大の脅威と見なされてきた。

政府は、2012年11月以来、戦争犯罪と性的暴力犯罪のかどでモルガンに対する逮捕状を出している。

月曜日、メンデ政府報道官はモルガンのすべての手下が降伏したわけではないと述べ、残党には早く降伏するよう呼びかけた。モルガンのグループは密林の奥で活動しており、M23のかつての拠点からは遠く離れている。その規模は明らかになっていない。
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密猟組織の凶悪なボス、コンゴで投降

最新情報:ポール“モルガン”サダラ、逃走を試みて殺される。

伝えられるところによると、将軍にして密猟組織のボスであるポール“モルガン”サダラが、コンゴ民主共和国当局に降伏した。将軍は、およそ40名の手下とともに自首してきた。サダラは、2年前のオカピプロジェクト(Okapi Project)襲撃の背後にいた人物である。この襲撃では、女性や子供がレイプおよび誘拐され、スタッフが殺害され、あるレンジャーの妻は生きたまま火にかけられた。さらに、事務所や地元の村も略奪を受けた。

オカピプロジェクトステーションへの攻撃は、サダラや他の民兵組織に対する密猟対策活動に対する報復として行われた。この攻撃を受けて国連は、世界遺産事務所の改築資金を集め、被害を受けた家族への補償を行うために、緊急援助要請を発動した。

オカピステーション襲撃は2012年6月24日に起きた。最大150人の民兵が関与し、サダラの民兵により7名が殺害された。民兵たちはエプルステーションを略奪して建物を焼き払った後、地元の町に移動し、商店を襲撃したり女性や少女を誘拐したりした。この町の70人もの女性と少女が、サダラの民兵によりレイプされたと考えられている。

攻撃の後、オカピ保護プロジェクト創始者のジョン・ルーカスは、次のように状況を説明した。「エプルステーションへの攻撃は、ICCNレンジャーによる最近の取り締まりにより、保護区の南側で行われていた密猟や採掘が壊滅したことに対する報復です」と、ルーカスは言う。「反乱戦力は、干渉されることなく自由に採掘を再開し、野生生物を密猟したがっています。オカピ保護プロジェクトまでもが標的になったのは、私たちがICCNの活動や人員を積極的に支援しているからです」

サダラはこれまでオカピ地区で多数のゾウを殺してきたが、1日で最大200頭のゾウを殺したこともあると考えられている。サダラの活動は、オカピ公園のゾウの生息数が5年未満で37%も減少したことにかなりの影響があったと考えられている。

ポール・サダラはかつて敵対する民兵組織に捕えられ、コンゴ民主共和国政府に1万米ドルでの引き渡しを持ちかけられたことがあるが、政府は資金を集めることができず、サダラが自分で自由を買い取った。

国連の平和維持部隊に支援された政府軍がオカピ地域(Okapi region)の支配権を取り戻しかけた頃、サダラのグループが、ゾウの密猟や炭焼きから小規模な金鉱の略奪に活動を移したという報告があった。

サダラとその犯罪組織が拘束下にあるにせよ逃走中であるにせよ、オカピに残っているマルミミゾウを保護するうえでは大きな前進となるだろう。

最新情報:2014年4月15日

最新レポートによると、サダラは逃走を試みて殺害されたとのことである。ブニアへの移送中にサダラとその手下は同行の兵士を攻撃しようとした。銃撃戦になり、ポール・サダラが撃たれた。ヘリコプターで病院へ搬送されたが、出血によりまもなく死亡した。

【翻訳協力】木田直子
【JTEFコメント】
 鉱物や、商業価値を持つゾウやサイはアフリカの資源としての取引が合法的にも違法でも世界中から狙われています。マルミミゾウの激減に手を貸していたテロリストのリーダーがゾウから鉱物へと移ったというのは、それだけゾウの数を減らしてしまったために、もはや「収穫」がしにくくなったからではないでしょうか。彼の殺害が残党の活動を縮小させることを期待しますが、第2のサダラが現れないとも限りません。現在のアフリカの野生動物の密猟と武装勢力・テロリズムとの関係は非常に根深いです。