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インドと中国、トラの保全に取り組む

PTI (Press Trust of India )通信社、2010年8月29日

インドと中国のあいだでは防衛交流が難しい状況になっているようだが、そのために、野生生物に関わる数々の懸案についてこのアジア二大国の相互協力の強化が妨げられることはない。というのも、明日から4日間の日程で北京で始まる会議において、拡大を続けるトラの身体部分の取引網の粉砕などについて話し合われるからだ。環境省野生生物監査官のA K スリバスタバ氏を長とする代表団が中国側と会談することになっており、保護地域の管理に関する経験や成功事例を共有し、野生生物管理について共同調査の可能性を探る予定である。主に野生のトラへの脅威が議論の焦点となるが、野生のトラは、毛皮や、媚薬用として爪、歯などの身体部分に対する需要が中国をはじめベトナムなどの南アジア諸国でこれまでになく高まっていることから、絶滅の危機に直面している。

最も新しく公表された数字では、ベンガルトラはインドの森林にわずか1411頭しか残っていない。環境省の高官によると、「野生生物犯罪取締りに関する国内法や条例、野生生物保護のための取締り体制、重要な地域、野生生物事件の傾向、情報の共有、特に大型ネコ科動物を対象とした野生生物犯罪に関する定期会議の仕組みなど」について詳細に議論されるという。さらに同氏によると、当局者らは、野生生物保護のため、取締機関の草の根レベルでの連携の仕組みについても話し合いを持つとのことである。

この会議は、環境相ジャイラム・ラメシュ氏が昨年訪中した際に要請したトラファームの段階的廃止と貯蔵されているトラ身体部分の廃棄に加え、インドとの国境地帯でのトラの身体部分の取引を取り締るよう中国に働きかけるためのインド政府の取組みの一環である。

中国が1993年に定めたトラ身体部分の取引禁止令を解除するのではないかとの憶測がこの数ヶ月間に高まっている。その様な動きがあれば、インドのネコ科野生動物の保全努力にとって大打撃になりかねないと専門家らは考えている。トラ生息地域における国際的なトラ保全努力を強化するために、インドは中国に世界トラ・フォーラム(the Global Tiger Forum )への参加も促してきた。13のトラ生息国のうち、ブータン、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ネパール、バングラデシュ、インドがこのメンバーになっている。インドと中国の国境地帯では、当局に時折摘発されるさまざまな野生生物の密輸事件から明らかなように、トラの密猟やトラ皮の密輸が麻薬の不法取引に次いで2番目に多い犯罪であるといわれている。
(翻訳協力 松崎由美子)

【JTEFのコメント】
密猟されたインドのベンガルトラは、ネパールを通り需要の高い中国やチベット自治区へ運ばれている事実が明らかにされています。この需要がなくならない限り、国境沿いでの取り締まりが強化されない限り、トラの密猟は止まりません。言葉だけでなく、中国はトラファームの廃止を含めたトラ保護へのアクションを見せるべきです。

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