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中国、インドのトラ保護を支援

hindustantimes.com、2010年9月3日

漢方薬に使われるトラの骨や部位を取り締まらないことについて非難を受けている中国が、トラ保護のために活用できる情報を、インドと共有することで合意した。インドの環境森林省の代表者は、5日間に渡り中国の担当者と会談を行い、中国がトラの部位密輸をなくすために厳しく取り締まりを行う姿勢を示したことを述べた。

今回の訪問後に出された声明で、両国は、トラの部位を含む野生動物の部位を密猟、密輸することは、地域の野生動物保護に対する最大の脅威であることを認識した上で、情報を共有することで合意。そして、関連した情報をリアルタイムに共有するための担当者を指名すると発表した。

また、同声明では、中国は、トラ保護のために活動する唯一の政府間団体である「グローバルタイガーフォーラム」に参加することに強い関心を示していると述べている。

インド当局は、インドやその他世界各地でトラが密漁される主な理由は、トラの部位、特に骨の需要が高いためで、そのためにも中国の支援は不可欠であることを強調している。

今年1月、ジェイラム・ラメシュ環境大臣は、中国でトラやヒョウの部位の需要が増加しているために、インドでトラ類が密猟されていると非難した。

またインドの代表者は、中国・インド両国は、トラ保護地区を含む動物保護地区の管理を行う上での経験や成功事例を共有し、保護地域で効果的な管理が行えるように現代の技術を活用して保護地区管理者や科学者、技術者の訓練や能力強化を行う強い意志を示したと述べた。

そして、野生動物に関わる犯罪について表面化しているもの、していないもの両方の面から協力して捜査を行う必要があること、そして犯罪活動を行っている組織に対処していくことを強調した。国境沿いに配備されている複数の機関の人員が、さらに高い意識をもって問題に取り組むために、野生動物関連法について認識を高めるプログラムを策定することが、今後の協力優先課題である点について同意した。

さらに、双方の代表者が定期的に会合を行い、協力関係を深めて野生動物保護を行うことで合意したことも述べている。

インド・森林省のA.K.スリバスタバ監察官率いるインドの代表団は、中国の絶滅危惧動物の輸出入管理局や中華人民共和国国家林業局の野生動物保護部の担当者と会合を行った。

インドの担当者によると、両国は、野生動物の密漁を撲滅するため協力することを謳った「1995トラ保護」に関する覚書を更新することで合意。同協定は5年ごとに更新されることになっている。
(翻訳協力 平野洋子)

【JTEFのコメント】
このニュースの通りになったら、密猟はなくなり理想だと思います。でも現実は中国へのトラ保護の要望をインドをはじめとする各国が出し続けても、最終地点が中国やチベットであるトラの密猟は止まりません。最近はヒョウの骨の密輸も増えています。インドで密猟されたトラやヒョウの骨はネパールを通って中国へ入ります。9月、インドでナショナルジオグラフィックがこの密輸ルートを暴いた番組を放送しました。口でいくら保護すると言っても、映像は現実を映し出しています。

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