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希少な肉食獣のための野生復帰訓練施設、ロシア・沿海州に建設予定

Newsbom.com、2010年9月6日

ロシア極東、沿海地方に、生態学者らは、ロシアにおいて初めての完備された野生復帰訓練施設を設立する予定である。訓練施設の建設工事は、2010年11月中旬に開始することになっている。この施設の目的は、肉食獣を野生に戻すことである。

「毎年、とりわけ冬に、幼獣は、病気や密猟や餓死で母親を失う傾向にあるが、太刀打ちできていない。こうした子たちは、海洋性タイガの厳しい状況で、非業の死を遂げる運命にある。もしこの子たちが、間に合って専門家の手に委ねられ必要な世話が受けられれば良い。」と公共環境基金「フェニックス」は述べた。

残念ながら、これらの幼獣はその後たいてい動物園に行くことになる。動物園は、こうしたトラであふれているが、幼獣は自力で野生に生きて行けるのである。

そこで、幼獣を野生復帰させるために、このような施設の設立が必要となる。この過程には、動物を人間から隔離し、狩猟技術や野生で生き残るための特別な技術を覚えさせることも含まれている。

ロシア連邦政府の特別調査局「タイガー」は、当座、こうした動物のための唯一仮の保管施設となっている。実際に、この組織は、トラの個体数保護に携わっている。

「タイガー」は、施設の1人の専門家の個人の所有地である車庫にある。そこで、タイガで見つかったトラの幼獣を世話しているのである。幼獣のうち何匹かは、ハバロフスクにある訓練施設「クリフ」か、あるいは沿海州のスパスキー地区ハイヴォロン村にあるロシア科学アカデミーの極東支部の生物及び土壌科学研究所の訓練施設に送られる。しかし、「そこでさえ受け入れは難しい状況だ。」と専門家はフェニックス基金で私たちに述べた。

訓練施設建設のための土地の区画は、既に割り当てられている。それは、2.7ヘクタールの森林地域の区画で、いかなる集落からも離れたところに位置している。特別調査局「タイガー」は、既に必要な作業を全て実行するための許可を得ている。現在、施設建設のための寄付を集めているところである。
(翻訳協力 日原直子)

【JTEFのコメント】
肉食獣の野生復帰は非常に難しく、今まで成功例はほとんどありません。
ロシア科学アカデミーの施設も視察してきましたが、私が見た子トラたちは結局、動物園やサーカスに行くことになりました。新たな野生復帰施設の計画を立てながらも、冬の餌不足や密猟を止めることを徹底させ、自力で野生で生きられる環境をとにかく整えることが最重要だと思います。

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