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インド最高裁、「やがては人間の皮膚が取引されるだろう」と非難

ムディット・アガルワル(Mudit Agarwal)、2010年10月4日

ニューデリー発―インド最高裁判所は10月4日、トラの個体数減少に対して懸念を示し、「やがて人間の皮膚が商業目的で取引される日が訪れるだろう」と述べて、悪名高い密猟者サンサル・チャンド被告を激しく非難した。同被告は、動物の部位を取引した罪で有罪判決を受けている。

「被告は、現在はトラやヒョウの毛皮を取引しているが、やがて人間の皮膚まで取引するようになるだろう。こうして国内のトラやヒョウは絶滅してしまう。サリスカ・トラ保護区からトラはいなくなってしまう。」と、判事のマルカンディ・カッチュ氏とT S シャクール氏はチャンド被告の控訴に関しこう述べた。

最高裁は、密猟への関与を否定する被告弁護人の主張を退けた。

「関心はすべて金銭に向けられている。人々が望むのは金銭だけだ。この国のすべては営利目的になっている。現在は動物の毛皮が取引されているが、やがては人間の皮膚さえ取引されるようになるだろう」と、判決審議のための一時休廷中に判事はこう語った。

最高裁は7月5日、2003年にヒョウの毛皮を密輸した罪で5年の懲役刑に処すこととなるチャンド被告の仮出所申請に関し、ラジャスタン州政府に回答を求めていた。

チャンド被告は2003年にビールワーラでヒョウ以外の動物の爪や毛皮、歯などの部位の密輸に関与した罪で既に懲役刑に処せられているが、昨年、有罪判決に対して異議を唱え最高裁に特別出所申請を請求していた。申し立てた。

NGO団体のインド野生生物保護協会(WPSI:Wildlife Protection Society of India)とインド野生生物トラスト(WTI:Wildlife Trust of India)も、訴訟参加申請が許可されている。

現在アジメールの刑務所に服役中のチャンド被告に対しては、野生生物関連の訴訟が数件起こされており、その中にはサリスカ保護区のトラの失踪事件に関わるものもある。同被告は30年以上にわたって密猟活動に関与してきた。

2006年にインド中央捜査局の尋問を受けたチャンド被告は、トラの毛皮470枚とヒョウの毛皮130枚をネパールとチベットの顧客4人に販売したことを認めたと伝えられている。
(翻訳協力 梅村佳美)

【JTEFのコメント】
サンサル・チャンドは30年以上密猟に関わってきただけでなく、家族、親族を巻き込み一族でトラを殺してきた。チャンドへ厳罰を与え見せしめにしなければ、インドのトラはサリスカ・トラ保護区だけでなく、全くいなくなってしまうというのも誇張ではない。

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