トラのニュース & JTEFのコメント
マハラシュトラ州、12日間で3頭のトラが死亡
インドのベンガルトラが死んでいるのが次々と発見されました。ベンガルトラがどのように死に至ったのか、調査したり保護活動をする森林保護管など職員の活動が重要です。
ナグプール:‘トラの生息に最も適した州’とアピールするマハラシュトラ州で木曜日、1頭のトラが死亡した。トラの死体が確認されたのは、この12日間で3頭目である。最初の1頭が発見されたのはチャンドラプールの南バランプールにあるEkara(ブージ)近郊で、1月6日のことだった。1月12日にはナワゴン近郊のSonzariで射殺された妊娠中のメスのトラが、そして、1月17日にはDeolaparにあるペンチ・トラ保護区の緩衝地帯で、腐敗した若いトラが発見された。
今回発見されたトラが見つかったのは、ペンチ・トラ保護区から15㎞の場所だったが、マンシンデオ野生動物保護区からは6㎞しか離れていなかった。今回もマハラシュトラ州電力流通株式会社(MSEDCL)からの通報は無く、正確な死亡原因については不明だが、感電死とみられている。森林保護官が保護を強く訴えたことで、トラの死体が15日間も発見されることなく森の中に放置されたことが明らかになった。
関係者によると、この腐敗したトラは、Harnakund 郡の582地区で午後3時に発見された。まだ若いトラで、この地区を通る11kvの送電線から24メートルの場所に横たわっていた。582地区はナグプールとジャバルプールをつなぐ高速道路から左手に270メートル離れた場所にある。このトラの皮膚が黒く焦げているように見えたと関係者は証言している。
トラの発見された場所の近くでは電線が見つかっていて、野生動物を殺害する目的で11kvの送電線にくくりつけられていたものと見ている。トラが発見された地域では、牛の死体も見つかったという。
ところが、ナグプール地区を担当するP K Mahajan副森林保全官(DyCF)は、「死亡原因が中毒死か感電死かについては、まだ断言できない。金曜日に行われる解剖で死亡原因が特定されるだろう。死亡したトラは下腹部の腐敗が激しく、皮膚の縞模様からやっとトラだと判別できるほどだった。」と述べた。
この解剖には、名誉野生生物保護官であるKundan Hate氏が国家トラ保全機関(NTCA)の代表として、Sanjay Deshpande氏が野生生物保全官長のSWH Naqvi氏の代理として立ち会う予定になっている。トラの発見現場にいち早く駆けつけた森林保護官長(CCF)兼ペンチ地区長のM S Reddy氏は、同様の事件で手がかりの発見につなげるため、チャンドラプールの警察犬部隊の導入を提案した。
興味深いのは、インド野生生物保護協会(WPSI)でインド中央部の責任者を務めるNitin Desai氏が森林職員とMSEDCLの職員に対し、主に感電による密猟の防止についての研修を水曜日に行っていて、今回の事件が明るみに出たのがその翌日だったということである。解剖は木曜日に行われた。「残念ながら、研修に参加したMSEDCLの職員で、Harnakund 郡で見つかったトラが感電死だと判断できる者はいないだろう」と述べた。
「トラの保護に使えるのが数千万ルピー(1ルピー=1.76円/2013年2月7日現在)では、日常的なパトロールもあらゆる保護活動もやっていられない。4か月前に森林と野生生物の保護についての会合を森林警察長(HoFF)に要請したが、まだ実施されていない」と、マハラシュトラ州森林警備官・森林局従業員・森林労働者組合で代表を務めるSiraj Patel氏は訴えた。
Mahajan氏は、現地職員がトラの死体発見の通報をせず15日間放置したことを認めた。
【翻訳協力】松村理沙
JTEFトラ保護基金が支援している地域での事件です。密猟目的といっても、感電死させたということから考えると村人の報復のような気がします。毛皮目的の密猟なら綺麗に殺します。まして、15日間も放っておくということは、殺すことが目的だったと考えますJTEFプロジェクトの担当者によると15日間も放置していたことで2人の保護官に停職を命じたとのことです。