トラのニュース & JTEFのコメント
トラ密猟事件へのCBIによる捜査、マハラシュトラ州が発表
「インドはトラの国。トラを救うことは生態系を救うこと。」と述べたインド中央政府重要犯罪捜査機関(CBI)長官。トラの密猟事件にCBIが乗り出す。
ナグプール 2012年10月から2013年5月にビダルバ地方で起こったトラの密猟事件へのCBIによる捜査について、マハラシュトラ州P・チャバン首相による発表は目前に迫っている。
ナグプール近郊マンセルの森林局および警察当局により6月第1週に逮捕されたトラの密猟組織は、いくつかのグループに分かれ、8カ月間に少なくとも11頭のトラを殺したと自白した。しかし、森林当局の記録には5頭が殺されたことしか残っていない。
密猟者からトラ皮をすべて買ったのは、ハリヤナ州/デリーのトラ皮や部位の取引業者であるSarju Bagdiである。最初の6枚は4月にラムテク近郊のBhandarbodiで、残りの5枚は6月にAmdiの近くで取引された。
逮捕された密猟者Chika とMamruにより明らかにされた16人の密猟者を逮捕すれば、その数はさらに増えるかもしれない。11頭のトラはVidarvha と近郊のマディアプラデシュ州の森で殺された。仲間の密猟者たちは逮捕後、姿をくらましている。
高官筋がタイムズ・オブ・インディアに語ったところによると、チャバン首相がOKを出した後、第一秘書官(森林担当)のPraveen Pardeshi氏がCBI長官のRanjit シンハ氏に7月26日手紙を書き、CBIにトラの密猟の捜査を依頼したようだ。Paradeshi秘書官へ確認を数回試みたが無駄だった。
インド野生生物保護協会(WPSI)のべリンダ・ライト氏やランタンボール財団のヴァルミク・タパー氏ほか有数の野生生物専門家の言葉を引用すると、6月19日付のタイムズ・オブ・インディアの記事が、初めてCBIによる捜査を要求している。
森林局高官たちはCBIによる捜査に反対していたが、カダム森林大臣は7月11日賛成の意向を示した。野生生物看守長であるSWH Naqvi氏に提案書を出すよう求めたが、Naqvi氏は、特別調査チーム(SIT)を任命するための提案書を送ってきた。それには内務省の承認が必要である。
SITの提案書が宙に浮いたままにも関わらず、CBIによる捜査は火曜日にも発表される予定だ。
「インド中のトラ生息地で密猟が深刻化している現状を考慮すると、1州による調査では手に負えない案件になった」と省の高官筋は述べた。
「広範に関係している密猟者たちに対する十分な証拠を集めるために時間稼ぎをしていたのです。彼らを捕まえるに十分な証拠が集まった今、必要なのはCBIの捜査です。」と付け加えた。
7月第1週にデリーで開催された5日間の会議の開始にあたり、インドを「トラの国」と呼んだランジット・シンハ CBI長官は、トラを救うことは「エコシステムを救う」ことだと言った。長官はまた、数年前のサリスカでのトラ殺戮事件の調査を通して、捜査当局はこの分野で重要な知識を得たとも述べた。
【翻訳協力】石原洋子
CBIは、中央政府の重要犯罪の捜査を行う機関です。トラの密猟問題は、長官のいう通り、食物連鎖のトップにいるトラがいなくなれば、生態系のバランスが崩れてしまいます。高度な捜査技術、情報処理に基づき、また地方のしがらみにとらわれることなく、徹底的に捜査し、厳しい刑罰を与えることが密猟を無くす最重要課題です。