トラのニュース & JTEFのコメント

ベトナムの首相、国家的なトラ

ベトナム政府Webサイトへの投稿によると、グエン・タン・ズン首相が国家的なトラ保護プログラムを承認したという。

投稿によると、計画では、トラ保護のための優先地域の設立、トラの個体数回復の実現可能性に関する研究、さらに保護に対する違反行為対策としてパトロールや活動の強化が推進されるという。プログラムは2022年まで実施される。

ベトナムではトラは野生下で生息しており、絶滅したものとして分類されてはいないが、国際自然保護連合（IUCN）のウェブサイトに寄せられた投稿によると、東南アジアに位置するこの国にもトラの健全な繁殖集団はすでに存在しない可能性がある。

10年前には100頭以上いたベトナムの野生のトラは、密猟と森林伐採により50頭未満にまで減ってしまった可能性がある、とタンニエン（Thanh Nien）新聞は2012年に報告している。その報道によると、調査により、主に中央ベトナムの国境付近で27頭から47頭のトラの形跡が見つかったという。

【翻訳協力】木田直子
【JTEFコメント】　2010年IUCNの報告では、ベトナムに野生のトラは20頭しか生息していません。いまさら首相が保護計画を承認したところで、遅きに失しています。開発で森林減少が著しく、ブラックマーケットの存在も確認されているなか、政府が具体的に何をするのか見ていきたいと思います。