野生動物・保全問題のニュース & JTEFのコメント
北東インド、オラン国立公園で自動撮影カメラが密猟者の姿を捉える
1月13日、グワハティ：自動撮影カメラを使って野生動物を撮影しているアソム州オラン国立公園で、今回、初めて密猟者の姿が捉えられた。
今日の記者会見でこのニュースを発表したスレス・チャンド主席森林保護官は、木に吊るした自動撮影カメラが、1月9日にサイを殺害した密猟グループを映し出したと述べた。「木に設置したカメラが同エリアを移動していた密猟団を撮影しました。このグループはサイを殺害する目的で侵入しました」
この密猟団は303丁のライフルを所持していた。
オラン国立公園の自動撮影カメラは、野生動物保護NGO、Aaranyakがトラの実態調査のために設置したものだ。約70台のカメラが公園内に計画的に配置されている。
チャンド氏は、同一グループと思われる密猟団が1月5日に侵入し、9日にサイの殺害に成功したという。9日、密猟団はいつものルートを変えることで、サイの殺害に成功したのだと述べた。
オラン国立公園を担当するS.K.ダイラ森林保護官によると、この密猟団は真夜中にサイを攻撃するという新たな作戦を取ったという。「我々は、密猟者たちが夕暮れ時や夜明け前に襲う姿を目撃してきました。しかし、今回の密猟団は夜中の1時半ごろにサイを襲いました。彼らはかなりの至近距離からサイを撃っています」
そして1月9日に当番をしていた職員、N.チャムラが停職処分を受けた。「彼が密猟団に協力していたと我々は考えています」と、チャンド氏は述べた。当局は、この密猟団が外部からの侵入者であったことから、撮影した写真を近くの警察署に提出したと伝えた。
森林局は密猟団を特定するために25000ルピー（45,700円）の報奨金を発表しているが、オランでサイが殺害されたのはこの一年後だったという。インド全体でみると、2009年には14件報告されていたサイの密猟件数が、2010年は7件だった。しかし、オランのサイの数は、2006年には68頭が確認されたが、2009年に確認されたのは64頭だった。
オランでカメラを使ってトラの密猟を監視しているAaranyakのフィロズ・アメド氏によると、カメラの撮影時に密猟者が現れたのは偶然だという。「上手く撮影できるようカメラを計画的に配置していますが、特に密猟者の撮影を意図したものではありません」と、同氏は述べた。
2009年に森林局とAaranyakが共同作成したトラの自動撮影の報告書によると、7頭のトラ（オス2頭とメス5頭）がオラン国立公園内で確認されている。昨年7月には森林警護隊が遭遇した密猟者2人を殺害し、武器や銃弾を押収した。昨年3月にも別の密猟者を殺害している。
チャンド氏は、ゾウの個体数調査をアルナーチャル・プラデシュ、メーガーラヤ、西ベンガルなど隣接する州で一斉に行うと述べた。この調査は2月21－26日に行われる。
（翻訳協力 松村理沙）