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南アフリカとモザンビークが密猟撲滅のために協力
ムボンベラ発――大リポポ国際自然公園(国境をまたぐ保護区)でのサイの密猟を抑える方法を相談するために、南アフリカ当局はモザンビーク当局と会談する計画を練り、今や最終段階にある。
会談は、エドナ・モレワ水環境問題大臣とモザンビーク政府の役人との間で行われる予定である。「われわれは、南アフリカとモザンビーク二国間にあるフェンス区域を、密猟者が悪用しているのかもしれないと、思っています」と語るのは省スポークスマンアルビ・モディス氏。
今年の初め、モレワは、国境を突破してサイの密猟などの犯罪を犯す犯罪者達に対し、懸念を表明した。モディスが述べたところによれば、両国は、とりわけ、協力して国境警備を強化・向上する方法について、話し合い、取り組むつもりであるとのことだ。
「われわれ南アフリカはモザンビーク担当省と、両国のあらゆる警備部門の間で密猟をより重要な犯罪として扱うにあたり協力できるよう、指揮主導権を分かち合いたいと思っております」
「サイの密猟被害というこの事態に際し、厳しい処置を取ることが必要です。大臣は、われわれ国家警備機関と共に問題解決にあたることが必要と確信しており、われわれは、オー・アール・タンボ国際空港その他の入国地点すべてでの警備強化を可能にすべきなのです。」とモディス氏は続けた。
モディス氏の語るところでは、モレワ大臣は、国家野生生物犯罪対策部隊の仲間のやり遂げた成果に満足はしているが、さらに良い結果を出す必要があると確信しているという。
南アフリカ開発共同体全体が一丸となって事に当たる必要があると、氏は述べた。「密猟者は、どんな政治的な国境にも、敬意をまったく払いません。我々の国家とアフリカ大陸の遺産が、サイの密猟により金持ちになれるとの無責任な作り話が永久に続くと信じる犯罪者たちのせいで、おびやかされているのです。現実は、こんな話とはかけ離れているのですがね。いくらかでも金を稼いでいる唯一の連中といえば、大規模犯罪組織の冷酷なボスだけなのです。」氏は、語った。
南アフリカに派遣されたモザンビークの高等弁務官フェルナド・ファゼンダ氏は、来るべき会談を歓迎した。ファゼンダは「わたしは、問題をここ南アフリカ内とモザンビーク側で取り扱うのは、よいことだと思います。密猟者は、ある者は南アフリカ人で、また他の者はモザンビーク人だったりするので、こうした対処方法が問題解決の一助となることを、願っています。」と述べた。
ムプマランガ州およびリンポポ州に派遣されたモザンビーク領事アーサー・ヴェリシモ氏は、密猟問題に取り組む第一歩の処置はすでにとられたと、語る。「モザンビーク軍は、サイの密猟を含む犯罪行為と闘うため、国境に展開しています」とヴェリシモは述べた。
大リンポポ国際自然公園の一部であるクルーガー国立公園のスポークスマンウィリアム・マバサ氏は、公園内のサイ密猟はすでに減ってきていると、言う。「異なった法執行機関からの人員を増やしたおかげで、われわれは、公園内のサイ密猟事件の数を何とか減らす事が出来ました。サイ密猟との戦いに参加してくれたすべての部隊に祝辞をささげます。」とマバサ氏。
去年、南アフリカ共和国側の保護区では、333頭のサイが殺された。122頭が殺された2009年に比べて3倍近く増えている。2007年には、密猟にあったのは13頭だけだった。
今年に入って、クルーガー国立公園だけで159頭を超えるサイが殺されてしまった。全国で、全部で124名のサイ密猟容疑者が逮捕されており、そのうちの62人は、クルーガー国立公園内で逮捕された。
(翻訳協力 蔦村的子)