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タンザニアにおける密猟 タンザニアの野生生物を救う呼び掛け

The Citizen Bureau ゼファニア・ウブワニ記、2012年07月09日

タンザニア国立公園(タナパ)は昨日、悪化する密猟に対抗するための支援を、様々な関係者に嘆願した。

国立公園の事務局長のアラン・キジャジ氏は、タンザニアは以前にもまして、極東で特に需要が増えてきているアニマル・トロフィー(注:殺した動物の角、牙、その他体の一部を剥製にしてハンティングの記念にするもの)を扱う商人の、国際的犯罪組織の犠牲になっていると警告した。

彼は、「国際的な流通ルートのあるトロフィーハンターの犯罪組織に対処せねばならないため、密猟は、国立公園の内外問わず大問題である。」と、北部地域から来た記者に話した。

密猟の増加は、希少野生動物の個体群に脅威となるだけでなく、野生生物に頼っている観光産業にもマイナスの影響を与えかねないと、さらに彼は警告した。

サイやゾウのような動物の牙のトロフィーの市場は、近年象牙1キロ当たり1000ドルにもなるアジアの市場で急速に成長していると述べた。

彼によると、象牙やサイの角の取引において特に有名な国には、中国、日本、台湾、インド、そしてその他ほとんどのアジア諸国が含まれる。

彼は、密猟に対抗するには、国立公園周辺に居住するコミュニティを含む、すべての関係者が問題の解決に関与せねばならないと強調した。
(翻訳協力 瀧口聡子)

【JTEFのコメント 2012年7月】

タンザニアは隣国ケニアと並んで、あるがままの自然環境の中の野生動物を見せることで外貨を稼ぐ観光立国でした。が、ワシントン条約締約国会議で政府在庫象牙の輸出を求めて動き始めています。タンザニアには1980年代前半に3000頭台いたクロサイが密猟で1996年には32頭まで激減した歴史があります。密猟が増加している背景には、野生動物を切り売りして生きようとするタンザニアの姿勢が、密猟者にすきを与えているのではないかと思うのは考えすぎでしょうか。




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