野生動物・保全問題のニュース & JTEFのコメント
500頭を越えるサイが、南アフリカ共和国で殺された
2013年1月から7ヶ月間に南アフリカ共和国で500頭以上のサイが殺された。サイの密猟はベトナムとの繋がりが深いが…。
南アフリカのNGOであるWildlands Conservation Trust (WCT)(原野保全トラスト)の職員は、7頭のサイに、電子タグをダーツで射って取り付け、その所在をモニターした。南アフリカ共和国クワズールー・ナタール州での密猟を防止するためである。
ヨハネスバーグ発―今年、今までのところ、少なくとも515頭のサイが同国で殺されたと、環境省は7月24日伝えた。
「私は今年に入って昨日(23日)の時点で、全部で515頭のサイが殺されてしまったと、聞かされている」と、審議官Fundisile Mketeni氏はケンプトン国立公園で、サイ密猟の報告発表で述べた。
「サイ密猟の増加については、政府の最高レベルでも、継続的に議論されています・・・。あなたがたの失望は政府の失望でもあるのです。」と氏はいう。
環境省のサイ密猟の統計が示すところでは、2012年には668頭のサイが殺された。少なくとも446頭のサイが今年6月までに殺されている。
Mketeni氏の語るところでは、2010年にサイ・サミットで議論の展開された安全保安戦略が、再検討されているという。
「この再検討では、利害関係者の参加が求められるでしょう。今までのところ、法執行当局は、特にクルーガー国立公園において、密猟と闘ってきました。」氏は続けた。
Mketeni氏は、サイ密猟に関する限り、ベトナムが「元凶国」の一つであると、レッテルを貼っている。氏の言葉によれば、ベトナムから同国へは、1年間で100の狩猟許可申請があったという。
ベトナム人たちは最近、南アフリカ共和国政府職員がベトナムを訪れてこの問題について討議した後は、南アフリカ共和国での狩猟を一時停止しているという。
氏によれば、会談は、サイの保護についてSouthern African Development Community(南部アフリカ開発共同体)の出席の場でも行われていたという。
【翻訳協力】蔦村的子
南アフリカ共和国では、昨年も500頭以上のサイが密猟されています。南アフリカ共和国でベトナム人ハンターの狩猟許可申請が多いのは、ワシントン条約の例外として、トロフィー(記念品)として自家用に持ち帰れるサイの頭が、実は角目的で転売されるためと言われています。サイ角は漢方生薬とされます。今年も7ヶ月間に密猟が500頭以上とは恐ろしい数字です。昨年から南ア政府は狩猟許可の停止を求めていましたが、やっと今回一時的にせよ停止できました。今後の行方を注視していきます。