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媚薬のためにナマケグマが密猟される:インド、マディヤ・プラデーシュ州が特殊捜査班を結成

P Naveen、TNN | 2014年5月12日

ボパール:マディヤ・プラデーシュ州森林局は、媚薬の主成分であるオスのナマケグマの生殖器や胆嚢を狙った密猟に対し、その背後に潜む国際犯罪組織の役割を探るため特殊捜査班(SIT)を結成した。これらの臓器は、国内外の市場において高値で取引されている。

同州の各地で発見されたナマケグマの死体から生殖器や爪が‘手際よく’取り除かれていたことに、森林当局は驚きを隠せなかった。専門知識を持つ者が関与したと見られるからだ。ナマケグマの死体は、2頭が西マンダラにあるカーナトラ保護区の緩衝帯付近で、その他はChhindwara、Betul、Burhanpurで発見された。

州の森林警備隊長であるNarendra Kumar氏によると、5名の捜査官がそれぞれの事件を調査しているという。「ナマケグマは絶滅危惧種でもある。ギャングが密輸に関わっていることを示す新たな手がかりを得ており、別の捜査チームが調べている」と、同氏はTOIに述べた。

情報筋によると、森林保護感補佐(ACF)のRitesh Sirothia氏がSITを率いるという。報道では、Chhindwara地方でナマケグマを殺害した疑いで2人の密猟者がSITに拘束されたと伝えられており、Sirothia氏は「密猟のネットワークを断つべく取り組んでいる」と述べた。

インド野生生物保護法付表I掲載種に分類されるナマケグマ(Melursus ursinus)は、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに登録された絶滅危惧種である。アジアに生息する5種のクマの内、ナマケグマを含む4種が、ワシントン条約(CITES)によって商業目的での国際取引が禁止されている。

媚薬として使用するだけでなく、ナマケグマの生殖器の医学的応用はがん、やけど、痛み、喘息、副鼻腔炎などの治療にも生かされており、肝障害を防ぐ強壮剤としても利用されている。中国、香港、日本、マカオ、韓国、台湾といった国々では高い需要がある。

「胆嚢の中にある胆液は麻薬よりも高額だが、だからこそ高い需要がうまれる」と、森林当局は述べた。

「2011年になるまで、マディヤ・プラデーシュ州の役人はトラの保護に注力してクマについては重要視していなかった」と、野生生物の保護活動家は述べた。2012年、森林当局は州政府に対し、行方不明のトラの調査と併せてPannaトラ保護区(PTR)で起こった2頭の‘ナマケグマ’の密猟についてもインド中央捜査局に調査させるよう提言した。5件の案件については、CBIに任せるのが妥当と同局は判断したのだ。

【翻訳協力】松村理沙

【JTEFのコメント】
 熊胆は日本でも伝統的な漢方薬として古くから利用されていますが、植物生薬で代替される他、その成分は化学合成され、多彩な代替医薬品が大量に出回っています。野生生物はドラッグや人身売買などと共にマフィアの資金源となっており、海外での取締は厳しくなっています。自然環境を損なう野生生物犯罪を、インドがCBIで調査するように、他のアジア諸国でも犯罪取締の優先事項として真剣に考えてもらいたいものです。

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