イリオモテヤマネコのニュース & JTEFのコメント
イリオモテヤマネコ 特定の個体が異常出現
八重山毎日新聞、2010年1月20日
1月19日、イリオモテヤマネコ保護増殖分科会(座長・土肥昭夫元長崎大学環境科学部教授)が開かれ、イリオモテヤマネコ保護増殖事業の実施状況報告が報告された。それによると、西表島の北岸地区と大富前良地区で特定の個体の道路への異常出現が目撃されているという。頻繁に目撃情報が寄せられている大富前良地区では工事が行われているが、昨年10月末から人や車をあまり警戒しない子ネコ2頭が目撃されている(うち1頭は交通事故死)。
ヤマネコが道路に出現するのは、目撃が集中している場所の多くで水がしみ出し、夜間にカエルが集まるため、それを餌とするからではないかと考えられるという。このような路上への異常出現は交通事故の危険性が増すため、対策が必要となっている。
この他にも今年7日までの1年間でオス4頭死亡、3頭の子ネコの疾病個体の情報が寄せられているという。
【JTEFのコメント】
2010年1月19日に開催されたイリオモテヤマネコ保護増殖事業分科会が記事になったものです。この記事ではあまり触れられていませんが、交通事故とともに、ヤマネコの生息環境の悪化、特に湿地が失われつつあることも話題になりました。そして、分科会委員から、環境省やそれ以外の主体による生息地保全の取組みを、来年の分科会では報告して欲しいという要望も出されました。JTEFが支援する「イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会」も、この分科会を傍聴していましたが、発言の機会が与えられました。そこで、西表島で行なわれる開発について、ヤマネコの重要な生息地にどのような配慮がなされるべきかについて、報告書を作成中であることを発表しました。