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さようならヤマネコの“よん” 交通事故から生き延び人工飼育14年8ヶ月最長記録

八重山毎日新聞、2011年4月12日

 交通事故に遭ったイリオモテヤマネコとしては唯一生き残っていたオスの「よん」が9日夜、西表野生生物保護センターで死亡した。飼育期間は14年8カ月3日間で、人工飼育されたヤマネコとしては最長。推定年齢は15年1カ月だった。同センターでは「今後も地元と連携して野生動物の交通事故防止に努めたい」としている。

 同センターによると、「よん」の死亡により、1978年以降に交通事故に遭ったと確認された52件のヤマネコはすべて死亡した。  「よん」の愛称は、個体識別番号が「W-48」だったことから付けられた。「よん」は96年8月に県道白浜南風見線のナダラ橋付近で交通事故に遭い、保護。99年2月から同センターの野外ケージで飼育されていた。飼育の様子は同センター内のモニターやインターネットで公開され、ヤマネコ保護の普及啓発に一役買っていた。
 しかし、昨年12月に野外ケージ内で動けなくなっているところを発見され、肺水腫のために一時は生存の危機に。いったんは回復したが、4月から食欲が減退するなど体調が悪化していた。詳しい死因や病理検査などは鹿児島大学農学部獣医学科で行うことになっている。

【JTEFのコメント 2011年4月】
 当時、交通事故に会った「よん」を助けた岡村自然保護専門員を含め、環境省野生生物保護センターの皆さんは大変力を落とされていることと思います。ですが、野生下で15歳まで生きることはむずかしく、本当に長寿をまっとうしたと言えるでしょう。センターのスタッフに温かく見守られ、大切に飼育されていたことがうかがわれます。また、よんは、イリオモテヤマネコの生理や行動について、貴重な情報を残してくれたことと思います。
 一方、もし交通事故に会わずに本来の暮らし場所で一生をまっとうすることができていたら、たとえそれが1年か2年の寿命で終わっていたとしても、それが「よん」にとって何よりの幸せだったことは言うまでもありません。不幸なヤマネコを増やさないよう、交通事故対策のいっそうの充実が求められています。

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