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西表西部、野良ネコの繁殖確認 ヤマネコへの影響を懸念

八重山毎日新聞、2011年7月6日

 竹富町自然環境課(白保隆男課長)は6月上旬から、西表島西部地区でネコ用のわなを設置し、5日までの約1カ月間で3匹の野良ネコを捕獲した。町ではイリオモテヤマネコ保全に向けて飼いネコの登録制度を実施。関係機関がヤマネコへの感染症予防のため、ワクチン接種やマイクロチップ装着を進めてきた。今回の捕獲で未登録のネコが繁殖している実態が確認され、関係者は危機感を募らせている。

 島内に持ち込まれた飼いネコが、ネコ後天性免疫不全ウイルス(FIV)やネコ白血病ウイルス(FeLV)に感染していた場合、ヤマネコへの感染や生態系への影響が懸念されている。  このため、町では2001年に国内で初めて、ねこ飼養条例を制定。登録制度を実施するとともに、九州地区獣医師会連合会が登録されたネコ全個体を対象に感染症の予防を図ってきた。

 11年1月末現在の実施率はウイルス検査98.5%、ワクチン接種91.4%、マイクロチップ装着93.3%、避妊手術95.9%、去勢手術95.9%となっている。  5月下旬に、保菌個体と思われるネコの目撃報告があったことから、6月上旬に同課職員が上原・住吉地区でわな4個を設置し、未登録のネコ3匹が捕獲された。
 捕獲したネコは、沖縄本島の特定非営利活動法人(NPO法人)「どうぶつたちの病院」でウイルス感染の確認作業を行っている。

 白保課長は「ウイルスの感染拡大を懸念しての捕獲作業だったが、未登録のネコが繁殖していること自体が問題だ。放っておけば一気に増える可能性がある」と懸念。捕獲を急ぎたい考えで西表東部地区にもわなを設置するとともに、情報提供を呼びかけている。
 転入者には、住民票異動時に同課職員が条例を説明していることから「条例を知らない観光客や住民票を異動しない短期移住者がネコを持ち込んだ可能性もある」と述べ、条例の周知を図る。