生物多様性条約と日本の法律
野生生物の世界では、生きものどうしのつながり、生きものと環境との間のつながりが、過去から未来へ展開します。野生生物は、その中で進化をとげ、そのすがた形も、行動も、暮らしも、互いに異なった個性をもつものに移り変わっていきます。その結果、野生生物の世界はあらゆる面で多様なものとなります。生物多様性を保全することは、遺伝子や種や生態系の今ある多彩さを維持する、今ある種類を固定的に保存しようということではありません。自然な進化のプロセスが営み続けられるよう保障することです。つまり、「生きとし生けるものの、未来に向けたつながりを断ち切らない」ことです。
この生物多様性の保全を担保する制度が必要です。
国際的には、「生物多様性に関する条約」(生物多様性条約)がその役割を果たすことが期待されています。日本国内では、条約の趣旨を反映しながら、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)などの法律が適切に機能していかなければなりません。
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